御田植神事のための建物
住吉大社五月殿は、大阪市住吉区住吉の住吉大社で、神館域の正面脇、御田の北側に建つ昭和11年(1936年)の木造建物で、御田植神事に用いられ、平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録された。切妻造本瓦葺の吹放ちで、建築面積は46平方メートル。
御田(おんだ)は、住吉大社が境内に持つ神饌田である。毎年6月14日の御田植神事では、本宮で奉告祭を行ったあと行列が御田へ進み、植女が早苗を植える。そのかたわらに立つ五月殿は、この神事と一体の建物である。「五月」は旧暦五月、田植えの季節を指す名と考えられる。
境内で唯一の壇上積基壇
桁行三間、梁間二間、東西に棟を通す吹放ちの建物で、文化庁の解説によれば、境内で唯一、壇上積(だんじょうづみ)の基壇の上に建つ。壇上積は、羽目石を束石で区切り、上に葛石を載せて石を組んだ格式の高い基壇で、寺院の主要な堂によく用いられる。
上部は飾り気の少ない素木造で、太い面取の角柱や虹梁を用いて豪放に仕上げている。装飾を抑え、材の太さで見せる造りである。文化庁は、御田と一体となって伝統ある景観を形成していると評価している。
御田植神事は昭和54年(1979年)に国の重要無形民俗文化財に指定された。夏の住吉祭でも、7月31日の夏越祓神事の際に五月殿で大祓式が行われ、そのあと参列者が茅の輪をくぐって本宮へ向かう。年に何度か、境内の祭礼の起点となる建物である。
見どころと見学
基壇の石組みは、足元に近づいて見るとよい。束石で区切られた羽目石の並びが、他の建物の簡素な基礎との違いを示している。御田側から見ると、水を張った田と建物が一つの画面に収まる。
住吉大社五月殿は神館域の正面脇にあり、外観は境内の開門時間内に見ることができる。拝観料はかからない。6月14日の御田植神事の日は、御田のまわりに大勢の見物客が集まる。参拝時間と行き方は住吉大社のページにまとめてある。
Q&A
- 住吉大社五月殿は何に使われる建物ですか。
- 毎年6月14日の御田植神事に用いられる建物です。夏の住吉祭では7月31日の夏越祓神事の際に大祓式も行われます。
- 住吉大社五月殿はどこにありますか。
- 神館域の正面脇、御田植神事が行われる御田の北側に建っています。
- 住吉大社五月殿の建築の特徴は。
- 境内で唯一、壇上積の基壇の上に建つ点です。上部は素木造で、太い面取の角柱や虹梁を用いた豪放な造りです。
- 住吉大社五月殿はいつ建てられましたか。
- 昭和11年(1936年)です。平成30年(2018年)5月10日に国の登録有形文化財に登録されました。
- 住吉大社五月殿は見学できますか。
- 外観は境内の開門時間内に見ることができ、拝観料はかかりません。御田植神事の日は御田のまわりが見物客で混み合います。
基本データ
| 名称 | 住吉大社五月殿(すみよしたいしゃさつきでん) |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89 |
| 指定区分 | 国登録有形文化財(建造物) 登録番号27-732 |
| 指定年 | 平成30年(2018年)5月10日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、切妻造本瓦葺、吹放ち、建築面積46平方メートル |
| 所有者 | 宗教法人住吉大社 |
| 公開状況 | 外観は開門時間内に見学可(参拝無料) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)— 住吉大社五月殿
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012406
- 大阪府 — 大阪府指定文化財 住吉大社 指定説明(境内の文化財建造物一覧を含む)
- https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/26540/01_sumiyoshitaisya_sitei.pdf
- 住吉大社 公式サイト — 特別な祭
- https://www.sumiyoshitaisha.net/events/special.html
- 住吉大社 公式サイト — 6月の行事
- https://www.sumiyoshitaisha.net/events/annualevents/06.html
最終更新日: 2026.10.01