境内の13棟を束ねた重要文化財
重要文化財「住吉大社」は、大阪市住吉区住吉の住吉大社境内に建つ南門・東楽所・西楽所・石舞台など13棟からなる指定で、昭和49年(1974年)5月21日に4棟が重要文化財に指定され、平成22年(2010年)12月24日に9棟が追加指定された。本殿4棟と、別に指定された摂社大海神社本殿を除く、桃山時代から江戸後期までの社殿群である。
13棟の内訳は、南門、東楽所、西楽所、石舞台の4棟(昭和49年指定)と、第一殿から第四殿の幣殿及び渡殿4棟、摂社大海神社幣殿及び渡殿、摂社大海神社西門、南高蔵、北高蔵、末社招魂社本殿(旧護摩堂)の9棟(平成22年追加)。元禄期に神社の建物の寸法を記録した『住吉松葉大記』19冊が附として指定されている。
慶長の造営を伝える南門・楽所・石舞台
南門と東西の楽所は、本殿を囲む垣の外の南側に南を向いて建ち、古記録から慶長12年(1607年)に豊臣秀頼が再興したものと知られる。南門は切妻造本瓦葺の四脚門で、組物は出三斗、中備に蟇股を置く。文化庁は、木割が太く絵様も桃山時代の気風をよく表した好建築と評している。東楽所は桁行十一間、西楽所は五間で、南門の左右に連なり、南門寄りを切妻、外側を入母屋造とする。楽所は雅楽の奏者が控える建物である。
石舞台は、南門の北側の池に幅約11メートル、長さ約12メートルの石造の桁橋を架け、その上に方約6メートル、高さ約0.5メートルの舞台を築いたもの。舞楽を演じるときだけ木製の高欄を立て、ふだんは楽所に納めておく。橋の両側の石柵は明治21年(1888年)のものである。文化庁は、門・楽所・舞台がそろって残る舞楽の施設として重要だとしている。
本殿の前の幣殿と、旧神宮寺の護摩堂
4棟の本殿の前には、それぞれ渡殿を介して幣殿が付く。本殿と同じ文化7年(1810年)の再建で、幣殿は中央を通路とし左右に部屋を配した割拝殿の形式をとる。第一殿の幣殿は桁行五間で、ほかの3棟は三間。第一殿の幣殿は中世には存在していたとみられ、他の3殿の幣殿は慶長の造替以後に設けられたとされる。渡殿は「間ノ廊下」とも呼ばれ、中ほどに角柱の鳥居を建てる。摂社大海神社の幣殿及び渡殿は、宝永5年(1708年)に本社に倣って設けられたとみられる。
南高蔵と北高蔵は慶長12年の造営で、昭和45年(1970年)に境内で移築された板倉の寄棟造である。摂社大海神社西門は江戸初期の四脚門。末社招魂社本殿は、本社の東背後にあった神宮寺の護摩堂で、鬼瓦の銘から元和5年(1619年)の建立とみられ、境内に残る唯一の仏教建築である。文化庁はこれらを、中世から近世にかけて住吉大社の礼拝施設が整えられた過程と、近世の社頭構成を伝える遺構として評価している。
見どころと見学
南門から入ると、正面に石舞台が池の上に浮かぶように見え、左右に楽所が延びる。石舞台の羽目石に刻まれた格狭間と、上面に開けられた高欄用のほぞ穴を見たい。幣殿は本宮参拝の際に正面から見ることになり、第一殿の幣殿だけが横に長いことが分かる。
各棟の内部は公開されていない。外観は境内の開門時間内に見ることができ、拝観料はかからない。参拝時間と行き方の詳細は住吉大社のページにまとめてある。
Q&A
- 重要文化財「住吉大社」にはどの建物が含まれますか。
- 南門、東楽所、西楽所、石舞台、第一殿から第四殿の幣殿及び渡殿、摂社大海神社幣殿及び渡殿、同西門、南高蔵、北高蔵、末社招魂社本殿の13棟です。
- 重要文化財「住吉大社」はいつ指定されましたか。
- 昭和49年(1974年)5月21日に南門・楽所・石舞台の4棟が指定され、平成22年(2010年)12月24日に9棟が追加指定されました。
- 住吉大社の石舞台とは何ですか。
- 南門北側の池に架けた石造の桁橋の上に、方約6メートルの舞台を築いたものです。舞楽を演じるときだけ木製の高欄を立てます。
- 住吉大社の南門はいつ建てられましたか。
- 古記録から慶長12年(1607年)に豊臣秀頼が再興したものと知られます。東西の楽所も同じ時期の建物です。
- 重要文化財「住吉大社」の建物は見学できますか。
- 外観は境内の開門時間内に見学でき、拝観料はかかりません。各棟の内部は公開されていません。
基本データ
| 名称 | 住吉大社(すみよしたいしゃ) |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府大阪市住吉区住吉2丁目9-89 |
| 指定区分 | 重要文化財(建造物) 指定番号01943。附指定:住吉松葉大記19冊 |
| 指定年 | 昭和49年(1974年)5月21日指定(4棟)、平成22年(2010年)12月24日追加指定(9棟) |
| 員数 | 13棟 |
| 寸法 | 南門:四脚門、切妻造本瓦葺。東楽所:桁行十一間。西楽所:桁行五間。石舞台:石造桁橋(幅約11メートル、長さ約12メートル)上に方約6メートルの舞台。ほか幣殿及び渡殿5棟、高蔵2棟、門1棟、本殿1棟 |
| 所有者 | 宗教法人住吉大社 |
| 公開状況 | 外観は開門時間内に見学可(参拝無料)。内部は非公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)— 住吉大社
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/2095
- 住吉大社 公式サイト — アクセス
- https://www.sumiyoshitaisha.net/access/
- 国指定文化財等データベース(文化庁)— 住吉大社 幣殿及び渡殿(第一殿)ほか9棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/00004488
- 国指定文化財等データベース(文化庁)— 住吉大社 石舞台
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/2098
- 国指定文化財等データベース(文化庁)— 住吉大社 末社招魂社本殿(旧護摩堂)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/00004496
- 住吉大社 公式サイト — 歴史と遷宮年表
- https://www.sumiyoshitaisha.net/about/history.html
最終更新日: 2026.10.01
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いずれも同じエリアの徒歩圏内にあるので、あわせての見学がおすすめです。
- 住吉大社 南門 0.00 km
- 住吉大社 幣殿及び渡殿(四棟) (第四殿) 0.16 km
- 住吉大社 東楽所 0.17 km
- 住吉大社 幣殿及び渡殿(四棟) (第三殿) 0.18 km
- 住吉大社 石舞台 0.19 km
- 住吉大社 西楽所 0.19 km
- 住吉大社 幣殿及び渡殿(四棟) (第二殿) 0.19 km
- 住吉大社 幣殿及び渡殿(四棟) (第一殿) 0.22 km
- 住吉大社 南高蔵 0.24 km
- 住吉大社 北高蔵 0.25 km
- 住吉大社 末社招魂社本殿(旧護摩堂) 0.32 km
- 住吉大社 摂社大海神社西門 0.34 km
- 住吉大社 摂社大海神社幣殿及び渡殿 0.35 km