山田家住宅玄関棟とは

山田家住宅玄関棟は、大阪府泉南市新家の山田家住宅で主屋の西側に取り付く文久3年(1863年)ごろの玄関で、平成14年(2002年)に登録有形文化財となった。建築年代は主屋と同じころとみられている。

構造は木造平屋建、瓦葺で、建築面積は45平方メートル。日常の出入りは主屋の土間から行い、この棟は客を座敷へ通すための正式な入口だった。行き着く先は、主屋の上手(奥)の西側にある角座敷である。

山田家住宅玄関棟は2つの入口を持つ。式台の付いた玄関と、主屋との接続部に設けた小玄関である。玄関の背後には4畳半の茶室が組み込まれている。

庄屋の格式を示す入口

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。前庭から見たとき、南側の正面に入母屋造の破風が突き出しているのが山田家住宅玄関棟の顔になる。

式台付きの玄関は、武家や村役人の家に許された客迎えの形式だった。庄屋の家がこの構えを持つのは、公用の来客を迎える役目があったためで、文化庁の解説も破風の突き出しを庄屋の格式の表れとしている。主屋の妻入の大屋根と並んだとき、玄関棟の小さな破風が一段低い位置で正面性を補っているのが分かる。

見どころ ― 式台と茶室

式台は、上がり框の前に一段低く張った板敷きである。来客は駕籠や草履をここで離れ、座敷へ上がった。小玄関と見比べると、同じ棟の中で客の格に応じて入口を使い分けていたことが読み取れる。

玄関の奥の茶室は4畳半で、壁を塗り残して竹の小舞を見せる下地窓と、狆潜(ちんくぐり)と呼ばれる小さな開口を備える。狆潜は茶室の壁の下部に開けた低い穴で、座敷と茶室のあいだに視線や風を通す。茶室の前には前栽があり、公開日にはそのときどきの設えで部屋が整えられる。

山田家住宅玄関棟の見学

山田家住宅玄関棟は一般公開日に内部を見学できる。茶室の設えは季節や行事で変わるので、公開日ごとに違う表情を見せる。

外観は、前庭の西寄りに立って主屋の正面と並べて見ると、入母屋の破風の突き出し方がよく分かる。屋敷への行き方と公開日は山田家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q山田家住宅玄関棟はいつ建てられましたか?
A文化庁の記録では文久3年(1863年)ごろの建築で、主屋と同じころとみられています。
Q山田家住宅玄関棟は何のための建物ですか?
A主屋の奥の角座敷へ客を通すための正式な入口です。式台付きの玄関と小玄関を持ちます。
Q山田家住宅玄関棟の茶室は見られますか?
A一般公開日に見学できます。4畳半の茶室には下地窓と狆潜があり、設えは公開日ごとに変わります。
Q山田家住宅玄関棟の外観の特徴は?
A南側の正面に入母屋造の破風が突き出している点です。庄屋の格式を示す構えとされています。
Q山田家住宅玄関棟はいつでも見学できますか?
A見学できるのは一般公開日(原則毎月第4日曜日、12月を除く)だけです。個人の住宅なので公開日以外は入れません。

基本情報

名称山田家住宅玄関棟
所在地大阪府泉南市新家3148-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成14年(2002年)6月25日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積45平方メートル
所有者個人
公開状況一般公開日(原則毎月第4日曜日)のみ見学可。個人の住宅

参考文献

山田家住宅玄関棟(国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002801
山田家住宅(泉南市)
https://www.city.sennan.lg.jp/kanko/bunka/maizou/bunkazai/kenzoubutu/1458795154641.html
山田家住宅 主屋 玄関棟 台所棟 米蔵 土蔵 表門 長屋門 土塀(大阪文化財ナビ)
https://osaka-bunkazainavi.org/bunkazai/%e5%b1%b1%e7%94%b0%e5%ae%b6%e4%bd%8f%e5%ae%85%e4%b8%bb%e5%b1%8b%e7%8e%84%e9%96%a2%e6%a3%9f
旧庄屋・豪農 山田家住宅(恋するせんなん/泉南市観光協会)
https://welcome-sennan.com/tourist-spots/yamadake

最終更新日: 2026.09.26