もろみを搾った蔵

まちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵は、滋賀県近江八幡市仲屋町中にある明治44年(1911年)建築の酒搾りの作業場で、令和4年(2022年)2月17日に国の登録有形文化財となった。昭和34年(1959年)に増築され、平成25年(2013年)に改修されている。

槽(ふね)とは、発酵を終えたもろみを布袋に詰めて積み、上から圧をかけて酒と酒粕に分けるための箱形の道具を指す。その名のとおり、槽蔵は酒造りの工程の終わり近く、仕込みを終えたもろみを搾る場であった。

敷地の外郭に建つトラスの土蔵

文化庁の答申によれば、槽蔵は敷地の外郭にあり、土蔵造としながら小屋組をトラスとしている。外観は伝統的な土蔵でありながら、屋根を支える骨組みには洋式の構造を用いた、明治末らしい折衷の蔵である。

旧西勝酒造の9棟のうち、明治前期の蔵と昭和34年の北仕込蔵のあいだを埋めるのが、明治44年のまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵である。北仕込蔵が建てられたのと同じ年に増築を受けており、造り酒屋が生産を拡げた時期に、搾りの設備も合わせて拡げたことがうかがえる。登録の基準はほかの棟と同じ「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。

ステージのある催しの場

現在は「旧槽蔵」の名で貸しスペースになっている。まちや倶楽部は、槽による酒造りが行われていた蔵を改装した空間と紹介し、ステージを備え付けている。講演会やワークショップの会場のほか、アコースティックの演奏会や収録のスタジオとしても使われる。

まちや倶楽部の取り組みを紹介するページでも、中規模の講演会や催しを開ける蔵として旧槽蔵の写真が使われている。酒を搾った場所が、いまは人の声と音を響かせる場所になった。

まちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵を見るには

内部に入れるのは貸しスペースとして予約した場合か、ここで開かれる催しに参加する場合である。料金は3時間あたり平日3,850円、土曜・日曜・祝日5,775円(税込)。トイレと電源はあるが、空調とWi-Fiはない。夏の猛暑と冬の厳寒期には冷暖房が効きにくく、近隣に住宅があるため夜間のマイク使用や大音量の催しは控えるよう案内されている。問い合わせはまちや倶楽部の代表電話0748-32-4654。

外観は敷地内の小径から見られる。撮影について公式な告知はなく、催しの最中は主催者に確認したい。敷地への行き方は、まちや倶楽部(旧西勝酒造)のページにまとめた。情報は2026年9月25日時点のもの。

Q&A

Qまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵の中に入れますか。
A貸しスペース「旧槽蔵」として予約するか、ここで開かれる催しに参加すれば入れます。外観は敷地内の小径から見られます。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵の利用料金はいくらですか。
A3時間あたり平日3,850円、土曜・日曜・祝日5,775円(税込)です。ステージがあり、空調とWi-Fiはありません。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵はいつ建てられましたか。
A明治44年(1911年)の建築で、昭和34年(1959年)に増築、平成25年(2013年)に改修されています。令和4年(2022年)2月17日に登録有形文化財となりました。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵の「槽」とは何ですか。
Aもろみを布袋に詰めて積み、上から圧をかけて酒と酒粕に分ける箱形の道具です。槽蔵はその搾りの作業場でした。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵の建物の特徴は。
A敷地の外郭に建つ土蔵造の建物ですが、屋根を支える小屋組にはトラスを用いています。

基本データ

名称まちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵
所在地滋賀県近江八幡市仲屋町中15-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和4年(2022年)2月17日登録
員数1棟
寸法未確認(文化庁の答申資料に記載なし)
所有者文化庁の公開情報に記載なし
公開状況予約制の貸しスペース「旧槽蔵」として利用可。外観は敷地内の小径から見学可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース まちや倶楽部(旧西勝酒蔵)槽蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014181
文化庁 令和3年(2021年)11月19日 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93601801_02.pdf
まちや倶楽部 貸しスペース
https://machiya-club.org/kashi-space/
まちや倶楽部 取り組み
https://machiya-club.org/torikumi/

最終更新日: 2026.09.24