麹をつくるための小さな蔵

まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵は、滋賀県近江八幡市仲屋町中にある昭和中期(1946〜1965年)の麹づくりの土蔵で、令和4年(2022年)2月17日に国の登録有形文化財となった。土蔵造平屋建、瓦葺で、建築面積は41平方メートルと、面積の分かる棟のなかでは最も小さい。

酛蔵の西に並んで建つ南北棟である。麹は蒸した米に麹菌を繁殖させたもので、米のでんぷんを糖に変える働きを持つ。酒造りでは洗米・蒸米の次に来る工程で、酛(酒母)にも本仕込みにも使われる。

戦後に建てられた工程の蔵

主屋や洗場、酛蔵が明治前期の建物であるのに対し、まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵は戦後の昭和中期に建てられた。登録から見て半世紀以上前の建物であり、ほかの8棟と同じく「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。

答申は、麹蔵と酛蔵をともに板敷の土蔵と説明している。土間の多い旧西勝酒造の蔵のなかで、床を板で張るのはこの2棟の特徴である。温度と湿度を細かく管理する麹づくりと酒母づくりのために、足元から冷えを遮る必要があったと考えられる。

密閉された一室

屋根は切妻造の平入で、桟瓦葺。外壁は軒裏まで漆喰で塗り込め、腰を縦板張とする。戸口は東面に、窓は西面に1か所だけ開く。外から見ると開口の少なさがまず目につく。

内部は一室の板敷で、壁と天井も板張りとして部屋全体を密封している。麹菌を育てるには一定の温かさと湿り気を保たなければならず、外気の出入りを抑えたこの造りは、その要求に応えるためのものである。文化遺産オンラインは、酒造工程を示す土蔵と位置づけている。

まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵を見るには

外観は敷地内の小径から見られる。隣り合う酛蔵と並べて見ると、同じ板敷の蔵でも年代の差が外観にどう出ているかを比べられる。内部の公開について、まちや倶楽部からの告知は見当たらない。

撮影について公式な告知はない。敷地への行き方は、まちや倶楽部(旧西勝酒造)のページにまとめた。情報は2026年9月25日時点のもの。

Q&A

Qまちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵は見学できますか。
A外観は敷地内の小径から見られます。内部の公開については告知されていません。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵はいつ建てられましたか。
A文化庁は昭和中期(1946〜1965年)としています。令和4年(2022年)2月17日に登録有形文化財となりました。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵では何をしていたのですか。
A蒸した米に麹菌を繁殖させて麹をつくっていました。麹は酒母づくりと本仕込みの両方に使われます。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵の内部はどうなっていますか。
A一室の板敷で、壁と天井も板張りとして密封しています。戸口は東面、窓は西面に1か所だけです。
Qまちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵はどこにありますか。
A旧西勝酒造の敷地内で、酛蔵の西に並んで建っています。北側には南仕込蔵及び通り蔵があります。

基本データ

名称まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵
所在地滋賀県近江八幡市仲屋町中15-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和4年(2022年)2月17日登録
員数1棟
寸法建築面積41平方メートル
所有者文化庁の公開情報に記載なし
公開状況外観は敷地内の小径から見学可。内部の公開は告知されていない

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014178
文化遺産オンライン まちや倶楽部(旧西勝酒造)麹蔵
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/543588
文化庁 令和3年(2021年)11月19日 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93601801_02.pdf

最終更新日: 2026.09.24