太田家住宅稲荷社とは

太田家住宅稲荷社は、栃木県佐野市天明町にある太田家の屋敷の北寄り、奥庭に祀られた木造の小さな社殿で、明治14年(1881年)頃の建築として令和3年(2021年)に国の登録有形文化財に登録された。

建築面積は0.5㎡、屋根は瓦葺である。太田家住宅の7件のうち6件は所在地が大和町字江戸町だが、太田家住宅稲荷社だけは天明町字現石町2579-3と表記されている。文化庁の解説は、同じ屋敷の敷地の北寄りに建つとしている。読みは「いなりしゃ」。

切妻造妻入の小さな社殿

太田家住宅稲荷社は、正面1間・側面2間の切妻造の桟瓦葺で、妻側を正面とする妻入である。土台の上に角柱を立て、腰と内法の高さに長押をめぐらせる。

組物は舟肘木で、柱の上に舟の形をした肘木を載せて桁を受ける、最も簡素な形式である。同じ明治14年頃の八幡社が出組の組物を柱間にも詰めて並べるのとは、つくりの方向がまったく違う。

菱格子の壁と家紋入りの鬼瓦

太田家住宅稲荷社の壁には菱格子をはめ、正面の扉は格子入りの桟唐戸とする。

手がかかっているのは屋根である。瓦は社殿の小ささに合わせた小ぶりのものを使い、棟の端には家紋を入れた鬼瓦を据えている。0.5㎡の屋根のために、瓦の寸法まで合わせたことになる。

文化庁は太田家住宅稲荷社を「小規模ながら精巧な屋敷社」と評し、奥庭の景観をつくる建物と位置づけている。

太田家住宅稲荷社の見学

太田家住宅稲荷社は個人の屋敷の奥庭に祀られた社で、参拝や見学のために敷地へ入ることはできない。栃木県の文化財ページでは、太田家住宅の公開状況を「外観のみ」としている。

稲荷社は通りから最も奥まった奥庭にあり、道路から見える可能性は低いと考えられる。文化庁のデータベースには南側の正面を写した写真が載っており、菱格子の壁と家紋入りの鬼瓦はそこで確かめられる。屋敷への行き方は太田家住宅(佐野市)のページにまとめてある。

Q&A

Q太田家住宅稲荷社はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは明治14年(1881年)頃の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q太田家住宅稲荷社はどのくらいの大きさですか?
A建築面積は0.5㎡で、正面1間・側面2間の木造平屋建、瓦葺です。
Q太田家住宅稲荷社はどんな形の社殿ですか?
A切妻造桟瓦葺の妻入で、組物は舟肘木です。壁に菱格子をはめ、正面は格子入りの桟唐戸です。
Q太田家住宅稲荷社の屋根瓦の特徴は?
A社殿の規模に合わせた小ぶりの瓦を使い、家紋入りの鬼瓦を据えています。
Q太田家住宅稲荷社は見学できますか?
A敷地内には入れず、公開は外観のみです。奥庭に祀られているため、道路から見える可能性は低いと考えられます。

基本情報

名称太田家住宅稲荷社
所在地栃木県佐野市天明町字現石町2579-3
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)登録
員数1棟
寸法建築面積0.5㎡
所有者個人
公開状況外観のみ公開(個人所有)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)太田家住宅稲荷社
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013683
とちぎの文化財(栃木県)太田家住宅稲荷社
https://bunkazai.pref.tochigi.lg.jp/cultural/%E3%80%90%E5%A4%AA%E7%94%B0%E5%AE%B6%E4%BD%8F%E5%AE%85%E7%A8%B2%E8%8D%B7%E7%A4%BE%E3%80%91/

最終更新日: 2026.09.30