桟唐戸とは

桟唐戸は、縦の框と横の桟で枠を組み、その枠のあいだに薄い板や格子、透彫の板をはめ込んだ開き戸である。仏堂や社殿、門の出入口に用いられる。唐戸は開き戸の意で、厚い板を合わせた板唐戸(板扉)に対し、桟で組んだ軽い扉を桟唐戸と呼ぶ。

桟唐戸は、鎌倉時代に禅宗様とともに広まったとされ、禅宗様の仏殿に多く見られる。のちには様式を問わず寺社の扉として一般化し、近世には枠のあいだの板に花や鳥、唐草を透彫にした華やかなものも多く造られた。

近い建具との違いは、開き方とつくりにある。蔀戸は上に跳ね上げる戸、舞良戸は細い横桟を並べた引戸で、いずれも開き戸の桟唐戸とは異なる。

記録と実物で見分ける手がかり

記録では、桟唐戸の枚数や装飾が書かれる。神明社の神輿殿は、正面に上り段を設けて桟唐戸4枚を建て込む。願正寺山門の記録は、側面の花狭間や桟唐戸の透彫、金具などに浄土真宗寺院らしい華やかな装飾を見せると書く。京都の仁和寺では、皇族門が桟唐戸の上に透彫欄間を入れ、勅使門は壁面や桟唐戸を花菱や鳳凰、唐草の透彫で埋め尽くす。

本来の桟唐戸でなく、その形にならった扉もある。住宅の門で「両開板扉は桟唐戸風」と書かれる例があり、記録の「風」の字の有無に注意したい。

現地では、扉の面を見る。枠と桟の線がはっきり見え、そのあいだに板や格子、透彫がはまっていれば桟唐戸である。厚い板を並べて平らな面をつくる扉は板扉と考えてよい。

参考文献

仁和寺皇族門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009044
仁和寺勅使門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009043
神明社神輿殿|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004691
願正寺山門|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014123

最終更新: 2026.09.26