功運寺鐘楼とは

功運寺鐘楼は、東京都中野区上高田にある曹洞宗寺院・功運寺(萬昌院功運寺)の鐘楼で、江戸時代中期の寛延2年(1749年)ごろに建てられ、大正3年(1914年)に現在地へ移築されたもので、平成26年(2014年)に登録有形文化財(建造物)となった。

高い石積の基壇の上に建つ方一間、つまり柱が四隅の4本だけの小さな鐘楼で、屋根は入母屋造の本瓦葺、面積は6.0平方メートルである。功運寺に登録された3棟のうち、江戸時代にさかのぼるのは功運寺鐘楼だけで、ほかの2棟より150年以上古い。移築の年は萬昌院が牛込から上高田へ移ってきた年と同じだが、もとはどこに建っていたのかは、文化庁の解説にも中野区の資料にも記されていない。

功運寺鐘楼が登録された理由

功運寺鐘楼の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、要所を豊かな彫刻で飾った鐘楼として評価しており、中野区の資料も同じ点を評価の要に挙げている。

方一間の鐘楼は、寺の建物のなかでも小さなものである。功運寺鐘楼はその小さな建物に、柱間を埋めるほど密に並べた組物と、木鼻や蟇股の彫刻を重ねている。床面積6.0平方メートルの建物に、これだけの手数をかけている点がこの鐘楼の個性になっている。

功運寺鐘楼の見どころ

柱と天井

功運寺鐘楼の4本の柱は円柱で、上へ行くほどわずかに内側へ傾く内転びに立てられている。柱の上端は粽と呼ばれる加工ですぼめてあり、柱の輪郭が上で柔らかく絞られる。柱どうしは下から腰貫、虹梁、頭貫でつなぎ固め、鐘を吊る空間の天井は格天井とする。

組物と軒

柱の上には台輪を回し、その上に出組の組物を詰組に配している。詰組は、組物を柱の上だけでなく柱と柱の間にも並べる配置で、軒下が組物で埋まったように見える。軒は垂木を二段に重ねた二軒繁垂木である。

彫刻

功運寺鐘楼でいちばん目を引くのは彫刻である。頭貫の端に突き出た木鼻は、内側をくり抜いて透かした籠彫とし、虹梁の端の木鼻は獅子の形に彫っている。虹梁の上には蟇股を据える。どれも柱の上部、基壇の上のさらに高い位置にあるので、真下から見上げるよりも、少し離れて斜めから見るほうが形を追いやすい。

功運寺鐘楼の見学方法

功運寺鐘楼は境内に建ち、文化庁のデータベースでは山門と同じ地番に登録されている。鐘楼の近くまで寄れるか、基壇に上がれるかは、寺の案内に記載がない。寺は拝観時間を定めて案内していないので、功運寺鐘楼を見たいときは、事前に寺に問い合わせておくと確実である。

功運寺鐘楼は寺の建物として使われているものなので、基壇に上がったり鐘や撞木に触れたりせず、見学は外から眺めるだけにとどめたい。写真撮影の可否も寺の案内には書かれていないので、撮る前に確かめておく。境内への行き方と見学の心得は功運寺のページにまとめてある。

Q&A

Q功運寺鐘楼はいつ建てられましたか?
A寛延2年(1749年)ごろの建築で、大正3年(1914年)に現在地へ移築されました。功運寺の登録有形文化財3棟のうち、江戸時代にさかのぼるのはこの鐘楼だけです。
Q功運寺鐘楼はどこから移されたのですか?
A文化庁の解説にも中野区の資料にも移築元は記されていません。移築の年は、萬昌院が牛込から上高田へ移った大正3年(1914年)と同じです。
Q功運寺鐘楼の見どころはどこですか?
A柱の間まで組物を並べた詰組の軒下と、籠彫の頭貫木鼻、獅子の形の虹梁木鼻、虹梁の上の蟇股といった彫刻です。
Q功運寺鐘楼はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A要所を豊かな彫刻で飾った江戸時代の鐘楼で、境内の景観をつくっていることから、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で平成26年(2014年)に登録されました。
Q功運寺鐘楼は自由に見学できますか?
A寺は拝観時間や見学の範囲を案内していません。見学したいときや写真を撮りたいときは、事前に寺(電話03-3387-6321)に問い合わせてください。

基本情報

名称功運寺鐘楼
所在地東京都中野区上高田4-14-3
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)登録
員数1棟
寸法面積6.0平方メートル
所有者宗教法人功運寺
公開状況見学の可否と範囲、撮影の可否は寺に要確認

参考文献

国指定文化財等データベース「功運寺鐘楼」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010124
文化遺産オンライン「功運寺鐘楼」(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/210047
平成25年度国登録有形文化財「萬昌院功運寺(庫裏・鐘楼・山門)」「三岸家住宅アトリエ」(中野区)
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/kurashi/bunka/bunka/torokubunkazai/torokubunkazai.files/shiteir.pdf
萬昌院功運寺 歴史(萬昌院功運寺)
https://makotoyouchien.kids.coocan.jp/kounji/history.html

最終更新日: 2026.10.05