立川稲荷神社拝殿及び幣殿とは

立川稲荷神社拝殿及び幣殿は、鳥取県鳥取市立川町の立川稲荷神社にある寛保元年(1741年)建築の社殿で、平成26年(2014年)12月19日に国の登録有形文化財に登録された。

境内で登録された3棟のうち、ただひとつの江戸時代の建物である。鳥取県の文化財ページによれば、もとは稲荷社に合祀された北野神社の社殿で、大正7年(1918年)の合祀の際に改修・増築された。大正10年(1921年)の本殿・中門より180年ほど古い。

石段を上った参拝者が最初に向き合う建物で、拝殿の背後に幣殿が張り出し、1棟として登録されている。文化庁のデータベースでは木造平屋建、瓦葺、建築面積68平方メートル。登録地番は立川町4-68で、本殿・中門(4-218-2)とは分かれている。

立川稲荷神社拝殿及び幣殿が登録された理由

立川稲荷神社拝殿及び幣殿は第79回登録で、登録番号は31-0193。「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で、本殿・中門と同じ日に登録された。

文化庁の解説は、正面構えに装飾を集めた拝殿として評価している。拝殿は間口3間・奥行3間の正方形に近い平面で、入母屋造の妻入、屋根は桟瓦葺。周囲に縁をめぐらせ、背面に幣殿を張り出す。妻飾は木連格子である。

簡素な大正の本殿と並べると、江戸中期の社殿と近代の社殿の違いが一つの境内で比べられる。北野神社の建物を残して合祀後の拝殿に仕立て直した点も、この神社の成り立ちを伝える手がかりになっている。

立川稲荷神社拝殿及び幣殿の見どころ

見るべきは正面である。入母屋の妻を正面に向けた屋根の下に、軒唐破風造の向拝が張り出す。中央が盛り上がり両端が反る唐破風の曲線が、瓦屋根の重さを和らげている。

向拝の細部に目を寄せると、蟇股を2つ重ねて据え、柱から突き出る木鼻には彫刻を施している。文化庁は、こうした手を重ねて「正面構えの装飾密度を高めた」と書く。2つの蟇股がどう重なっているかは、向拝の下から見上げると確かめやすい。

内部は1室だが、奥の幣殿の床を一段上げて上段とし、格天井を張って拝殿と幣殿の空間を分けている。内部は公開されていないので、この構成は外から屋根と壁の張り出し方で読み取ることになる。立川稲荷神社拝殿及び幣殿を横から眺めると、拝殿の背後に幣殿が突き出している様子が分かる。

立川稲荷神社拝殿及び幣殿の見学

鳥取県の文化財ページによれば、立川稲荷神社拝殿及び幣殿は外観の見学が自由で、内部は公開されていない。石段を上がった正面に建つので、唐破風の向拝や重ねた蟇股は参拝の位置から間近に見られる。

撮影の決まりは公式の案内に書かれていない。拝殿は参拝者が手を合わせる場所なので、ほかの参拝者や祈祷の妨げにならないよう配慮したい。境内への行き方と参拝の条件は立川稲荷神社のページにまとめてある。

Q&A

Q立川稲荷神社拝殿及び幣殿はいつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースでは寛保元年(1741年)の建築で、大正7年(1918年)に改修されています。もとは合祀された北野神社の社殿でした。
Q立川稲荷神社拝殿及び幣殿はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成26年(2014年)12月19日に、第79回登録として登録されました。登録番号は31-0193です。本殿と中門も同じ日に登録されています。
Q立川稲荷神社拝殿及び幣殿の建築の特徴は何ですか?
A拝殿は間口3間・奥行3間、入母屋造妻入の桟瓦葺で、背面に幣殿を張り出します。建築面積は68平方メートルです。妻飾は木連格子、正面に唐破風造の向拝を構えます。
Q立川稲荷神社拝殿及び幣殿の向拝はどこが見どころですか?
A唐破風の曲線に加え、蟇股を2つ重ねて据え、木鼻に彫刻を施している点です。文化庁は正面構えの装飾密度を高めた拝殿と評価しています。
Q立川稲荷神社拝殿及び幣殿の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。外観の見学は自由で、石段を上がった正面から向拝の彫刻を間近に見られます。内部は1室で、奥の幣殿を上段として格天井を張っています。

基本情報

名称立川稲荷神社拝殿及び幣殿
所在地鳥取県鳥取市立川町4-68
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)12月19日登録
員数1棟
寸法建築面積68平方メートル
所有者宗教法人稲荷神社
公開状況外観は見学自由、内部非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):立川稲荷神社拝殿及び幣殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00010337
文化遺産オンライン:立川稲荷神社拝殿及び幣殿
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/282850
とっとり文化財ナビ(鳥取県):立川稲荷神社本殿、拝殿及び幣殿、中門
https://db.pref.tottori.jp/bunkazainavi.nsf/bunkazai_web_view/67CCE23BD3E5801549257F7300060780

最終更新日: 2026.10.04