川口家住宅土塀とは

川口家住宅土塀は、和歌山県有田郡有田川町西丹生図にある川口家の屋敷で、敷地の東側に離れと納屋をつないで延びる瓦葺の土塀で、大正前期(1912〜1918年)に築かれ、平成30年(2018年)に国の登録有形文化財に登録された。

川口家住宅土塀は敷地の東面の北寄りにあり、延長は6.1mである。屋敷の内と外を分ける境の塀で、北の離れと南の納屋の間をふさいでいる。

短くても丁寧に仕上げた塀

川口家住宅土塀は長さ6m余りの短い塀だが、和歌山県の解説は、丁寧に仕上げた上質なものと評価している。登録有形文化財としての基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁のデータベースが注目するのは、仕上げの使い分けである。屋敷の内側と外側で異なる材料を用い、和と洋の仕上げを分けることで、内外それぞれの屋敷構えを整えているという。離れと納屋という2棟の附属屋を1本の塀で結び、東の道に面した屋敷の表情をまとめているのが川口家住宅土塀である。

切石の谷積と洗い出しの壁

川口家住宅土塀の基礎は、高さ1mほどの切石を斜めに組んだ谷積である。石を矢筈のように傾けて積むため、表面に斜めの目地が連なって見える。

その上に土塀を立ち上げる。屋敷の内側に向く面は白い漆喰で塗り、道路に面する外側はモルタルの洗い出しで仕上げた。洗い出しは、モルタルが固まりきる前に表面を洗って中の砂利を浮き出させる仕上げで、和歌山県の解説によれば、外面は壁の上端の鉢巻まで同じ仕上げで通している。

屋根は丸桟瓦葺で、軒先には下端がまっすぐにそろう一文字瓦を用いている。塀の頂部に一直線の軒の線が通り、短い塀に締まった印象を与える。

川口家住宅土塀の見学

川口家住宅土塀は個人の所有で、屋敷は社会福祉法人が借り上げて就業支援の場として使っている。一般公開の日は設けられていない。

見どころの洗い出しの面は道路の側を向いているので、川口家住宅土塀はむしろ屋敷の外から見るための塀といえる。東の道に立つと、北に離れ、南に納屋が並び、その間を土塀がつなぐ様子が分かる。下の谷積の斜めの目地と、上端の一文字瓦の線を見ておきたい。漆喰塗りの内側の面は、敷地の外からは見えない。敷地には立ち入らず、撮影は道路からにとどめる。行き方は川口家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q川口家住宅土塀はいつ築かれましたか?
A大正前期(1912〜1918年)です。
Q川口家住宅土塀の長さはどのくらいですか?
A延長6.1mです。敷地の東側で、離れと納屋の間をつないでいます。
Q川口家住宅土塀の構造の特徴は?
A高さ1mほどの切石谷積の基礎の上に土塀を築き、内側を漆喰塗、道路に面する外側をモルタル洗い出しで仕上げています。屋根は丸桟瓦葺で、軒は一文字瓦です。
Q川口家住宅土塀はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A和洋の仕上げを使い分けて屋敷の内外の構えを整えている点が評価され、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として平成30年(2018年)に登録されました。
Q川口家住宅土塀は見学できますか?
A一般公開の日はありませんが、洗い出しで仕上げた外側の面は東の道路から見ることができます。

基本情報

名称川口家住宅土塀
所在地和歌山県有田郡有田川町大字西丹生図字畑垣内456-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)登録
員数1棟
寸法延長6.1m
所有者個人
公開状況一般公開なし(外観は道路から)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)川口家住宅土塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012611
わかやまの文化財(和歌山県教育庁文化遺産課)川口家住宅
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-976/
有田川町 国登録有形文化財一覧(PDF)
https://www.town.aridagawa.lg.jp/material/files/group/21/kunitourokuitiran.pdf

最終更新日: 2026.10.05