有馬家の家紋を刻んだ平唐門

篠山神社中門は、福岡県久留米市篠山町の久留米城本丸跡で、本殿と拝殿のほぼ中間に建つ明治12年(1879年)の門で、令和4年(2022年)10月31日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「ささやまじんじゃちゅうもん」。昭和5年(1930年)ごろに改修を受けている。

形式は一間の平唐門で、屋根は銅板葺、間口は2.7メートルある。高さ約1メートルの石垣の上に建ち、左右には本殿を囲む透塀がつながる。拝殿でお参りする人から見ると、正面の奥、本殿の手前に立つ門である。

篠山神社中門が登録された理由

篠山神社中門の登録番号は40-0202で、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。文化庁の解説は、つくりの丁寧さとともに、祀られている有馬家の由緒を装飾のなかに織り込んでいる点を評価している。

その由緒とは家紋である。門の正面、柱の上に渡した冠木の上には蟇股が載り、そこに有馬家の家紋である左三つ巴が彫られている。屋根の妻に下がる懸魚では、中心の六葉の飾りを、同じく有馬家の家紋である竜胆車の形にしている。社殿の装飾に祭神の家の紋を使うこと自体は珍しくないが、篠山神社中門では門の正面と側面の要所に二つの紋を配り分けている。

平唐門は、屋根の正面側を直線の軒とし、両側面の妻に唐破風の曲線を見せる形式である。正面から見ると端正な直線の屋根、横へ回ると反りのある破風、と見え方が大きく変わる。

篠山神社中門の見どころ

篠山神社中門の前では、まず冠木の上の蟇股を探したい。門の正面中央、扉口の真上にあたる位置で、左三つ巴の紋が蟇股の中に収まっている。

次に門の後ろ側を支える控柱に目を移す。控柱どうしをつなぐ頭貫は、中央を持ち上げた虹梁の形につくられ、その上に雲の文様があしらわれている。文化庁の写真記録にも、正面西側面の彫刻を写した一枚がある。

最後に側面へ回り、妻に下がる懸魚を見上げる。懸魚の中心、ふつうなら六枚の葉をかたどった六葉を付ける位置で、竜胆車の紋がその代わりを務めている。左三つ巴と竜胆車、二つの紋を見つけると、この門が誰のための門かがよく分かる。

篠山神社中門の見学

篠山神社中門は本殿の区域への入口にあたり、ふだんは通り抜けられない。石垣の上に建つため、見学は拝殿の脇や境内の東西から見上げる形になる。

正面の蟇股は拝殿の前からでは遠く、細部は拝殿の側面寄りから斜めに見るほうが見やすい。懸魚は境内の西側または東側へ回ると確かめられる。撮影について篠山神社中門に限った案内は見当たらない。境内への行き方と参拝の条件は篠山神社のページにまとめてある。

Q&A

Q篠山神社中門はどこにありますか?
A拝殿と本殿のほぼ中間にあり、高さ約1メートルの石垣の上に建っています。左右には本殿を囲む透塀が続いています。
Q篠山神社中門の装飾にはどんな意味がありますか?
A冠木の上の蟇股に有馬家の家紋の左三つ巴を、懸魚の六葉に同じく有馬家の家紋の竜胆車をかたどっています。祭神である有馬家の由緒を装飾に取り込んだものです。
Q篠山神社中門はどのような形式の門ですか?
A一間の平唐門で、屋根は銅板葺、間口は2.7メートルです。屋根の正面は直線の軒で、両側面に唐破風の曲線を見せます。
Q篠山神社中門をくぐって本殿まで行けますか?
Aふだんは通り抜けできません。参拝は拝殿の前で行い、中門は拝殿の脇や境内の東西から外観を見る形になります。
Q篠山神社中門はいつ登録有形文化財になりましたか?
A令和4年(2022年)10月31日に登録されました。登録番号は40-0202で、本殿・拝殿・透塀と同じ日の登録です。

基本情報

名称篠山神社中門(ささやまじんじゃちゅうもん)
所在地福岡県久留米市篠山町444
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号40-0202
指定年令和4年(2022年)10月31日登録
員数1棟
寸法木造、銅板葺、間口2.7メートル
所有者宗教法人篠山神社
公開状況外観のみ(通り抜け不可、境内の参拝は無料)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):篠山神社中門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014429
文化遺産オンライン:篠山神社中門
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/546198
文化庁:文化審議会答申(令和4年7月22日)登録有形文化財(建造物)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93747501_01.pdf

最終更新日: 2026.09.30