旧甲斐家住宅南塀とは
旧甲斐家住宅南塀は、福島県喜多方市字一丁目の甲斐家の屋敷の南辺を区切る大正後期(1919〜1926年)の煉瓦塀で、令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録された。
敷地の南面を小路に沿って延び、南西角の麹蔵に至る。延長は45メートル、高さは2.5メートルで、屋根は桟瓦葺、頂部に蛇腹(突き出した帯状の飾り)を回す。基部は石張とする。
旧甲斐家住宅南塀は、街道沿いの東塀及び北塀と同じ構成をとりながら、高さを4メートルから2.5メートルに抑えている。表通りに向けた塀と、裏の小路に向けた塀とで、構えの大きさを変えている。
登録の理由 ― 屋敷の外周景観を整える塀
旧甲斐家住宅南塀は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録された。文化庁の解説は、麹蔵前の扉口を三角アーチとして東塀の扉口と意匠を変え、敷地の外周の景観を整えている点を挙げている。
仕上げは東塀と同じく内外で異なる。小路に面する外側は煉瓦タイル張、敷地の内側は砂利混じりの粗面に仕上げるドイツ壁である。表と裏で塀の高さを変え、扉口の形を変えながら、材料と仕上げの考え方はそろえている。屋敷の外まわりを一つの設計でまとめようとした意図が読み取れる。
見どころ ― 麹蔵の前の三角アーチ
旧甲斐家住宅南塀で見ておきたいのは、麹蔵の前に開く両開きの扉口である。上部を三角形のアーチとしており、文化庁は登録写真の1枚にこの扉口を南から見た姿を選んでいる。
扉口の背後には麹蔵の土壁と越屋根が見え、煉瓦の塀と土蔵が一体になって屋敷の南西角を構えている。塀の高さが2.5メートルに抑えられているぶん、小路からは塀越しに蔵の屋根がよく見える。
旧甲斐家住宅南塀の見学方法
旧甲斐家住宅南塀は小路に面しているので、休館中でも道路から外観を見ることができる。文化庁の登録写真は南西から見た南面外観で、麹蔵側から東へ向かって塀を見通す構図である。工事の段階によっては足場や養生シートで覆われていることがある。
塀の内側は敷地の中からしか見えない。屋敷は令和5年(2023年)4月から保存修理工事のため休館しており、内側を見られるのは年1回程度の特別公開の機会に限られる。次回は令和9年(2027年)3月の予定である。屋敷への行き方と工事の予定は旧甲斐家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 旧甲斐家住宅南塀はどこにありますか?
- 甲斐家の屋敷の南辺に沿って小路沿いに延び、南西角の麹蔵まで続いています。
- 旧甲斐家住宅南塀の長さと高さは?
- 延長45メートル、高さ2.5メートルです。
- 旧甲斐家住宅南塀と東塀の違いは何ですか?
- 構成は同じ煉瓦造ですが、高さが東塀の4メートルに対して2.5メートルと低く、麹蔵前の扉口を三角アーチとして意匠を変えています。
- 旧甲斐家住宅南塀はどんな仕上げですか?
- 基部を石張とし、小路側は煉瓦タイル張、敷地の内側はドイツ壁で、頂部に桟瓦葺の屋根と蛇腹を載せています。
- 旧甲斐家住宅南塀は休館中でも見られますか?
- 小路に面しているので、道路から外観を見られます。屋敷は令和5年(2023年)4月から休館中で、内側は見られません。
基本情報
| 名称 | 旧甲斐家住宅南塀 |
|---|---|
| 所在地 | 福島県喜多方市字一丁目4611-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和3年(2021年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 煉瓦造、瓦葺、延長45m |
| 所有者 | 喜多方市 |
| 公開状況 | 外側は道路から見学可。2023年から保存修理工事のため休館中(工事は2030年度まで予定) |
参考文献
- 旧甲斐家住宅南塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013936
- 旧甲斐家住宅南塀(文化遺産オンライン)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/583426
- 旧甲斐家住宅東塀及び北塀(文化庁 国指定文化財等データベース)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013935
- 旧甲斐家蔵住宅の保存修理工事を行っています。(喜多方市)
- https://www.city.kitakata.fukushima.jp/site/kyukaike/57982.html
最終更新日: 2026.10.01