鈴善蔵座敷とは

鈴善蔵座敷は、福島県会津若松市中央一丁目の会津漆器の問屋鈴善の屋敷で、店舗の西に接して建つ昭和4年(1929年)の土蔵造2階建の蔵座敷で、令和3年(2021年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「すずぜんくらざしき」。

鈴善蔵座敷は南北に棟を通す切妻造の桟瓦葺で、建築面積147平方メートルは登録有形文化財となった鈴善の7棟のなかでもっとも大きい。文化庁の解説は、この蔵を屋敷構えの中核をなす建物と位置づけている。

作業場と座敷を一つの蔵に

鈴善蔵座敷の1階は、北を作業場、南を続き間の座敷とする。2階は倉庫で、出入口は1階の東面に2か所開く。仕事の場と客を通す座敷と物の置き場を、1棟の土蔵の中に上下と前後で振り分けた間取りである。

厚い土壁に囲まれた座敷蔵は、火事から部屋と家財を守る造りとして商家で好まれた。鈴善蔵座敷では、通りに近い北半分を作業場にあて、奥まった南半分を座敷にしている。

東面は鈴善中座敷に接している。中座敷の廊下と座敷を介して、店舗・中座敷・蔵座敷の三つが互いに行き来できる配置で、鈴善蔵座敷はその西の端を受け持つ。

スクラッチタイルの腰と赤瓦

外壁は漆喰で、軒下の鉢巻まで厚く塗り込めている。通りに面した北側の腰にはスクラッチタイルを貼る。表面に細い溝を刻んだタイルで、昭和初期の建物に好んで使われた材料である。店舗の人造石洗出しの壁と並ぶと、蔵の足もとにも同じ時期の洋風の仕上げが選ばれていることが分かる。

屋根は地元産の赤瓦で葺く。白い漆喰の壁に赤い瓦をのせた姿は、会津若松市が鈴善の建物群を評して挙げる赤瓦と白壁の町並みを、もっとも大きな面で見せる部分である。

鈴善蔵座敷の見学

鈴善蔵座敷は店舗の西隣にあり、スクラッチタイルの腰を貼った北の妻側が通りに向いている。赤瓦の屋根と漆喰の鉢巻は、道路からも見上げられる。

敷地は会津塗伝承館 鈴善として公開されており、公式サイトは旧住居部分を伝承蔵や美術蔵として展示に使っていると案内している。ただし施設名と棟名の対応は示されておらず、鈴善蔵座敷の1階の座敷や作業場に入れるかは確かめられなかった(2026年10月確認)。入館の条件と行き方は鈴善のページにまとめてある。

Q&A

Q鈴善蔵座敷はいつ建てられましたか?
A昭和4年(1929年)の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q鈴善蔵座敷の内部はどうなっていますか?
A1階の北を作業場、南を続き間の座敷とし、2階は倉庫です。出入口は東面に2か所あります。
Q鈴善蔵座敷の外壁の特徴は何ですか?
A漆喰を軒下の鉢巻まで塗り込め、通りに面した側の腰にスクラッチタイルを貼っています。屋根は地元産の赤瓦です。
Q鈴善蔵座敷は鈴善のなかでどんな位置づけの建物ですか?
A建築面積147平方メートルで鈴善の7棟でもっとも大きく、文化庁の解説は屋敷構えの中核をなす建物としています。
Q鈴善蔵座敷は見学できますか?
A北の妻側と赤瓦の屋根は通りから見られます。敷地は会津塗伝承館 鈴善として公開されていますが、内部に入れるかは公式サイトでは確かめられません。

基本情報

名称鈴善蔵座敷
所在地福島県会津若松市中央1丁目138他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)登録
員数1棟
寸法建築面積147㎡
所有者記載なし(文化庁データベースの所有者欄は空欄)
公開状況外観は道路から。敷地は会津塗伝承館 鈴善として公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)鈴善蔵座敷
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013924
文化遺産オンライン 鈴善蔵座敷
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/520074
会津若松市 会津若松市歴史的景観指定建造物詳細
https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2009020200238/
会津塗伝承館 鈴善 施設のご紹介
https://suzuzen.com/facility/

最終更新日: 2026.10.02