鈴善荷造り蔵とは

鈴善荷造り蔵は、福島県会津若松市中央一丁目の会津漆器の問屋鈴善の屋敷で、敷地の北東隅に通りに面して建つ昭和初期(1926〜1945年)の土蔵造平屋建の元商品荷造り蔵で、令和3年(2021年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「すずぜんにづくりぐら」。

鈴善荷造り蔵は切妻造の桟瓦葺で、建築面積は49平方メートル。登録有形文化財となった鈴善の蔵のうち、平屋建はこの棟だけで、ほかの蔵が南北に棟を通すなか、ただ1棟、通りと平行に東西へ棟を向けている。

出荷のための蔵

鈴善荷造り蔵は、もとは商品の荷造りに使われた蔵である。問屋の仕事は、仕入れた漆器を各地の得意先へ送り出すことでもあった。鈴善の沿革は、明治から昭和初期にかけて海外への輸出やデパートとの取引、東京・名古屋・大阪・札幌の支店の開設を記しており、品物を梱包して送り出す作業は商いの要だったはずである。

その作業場を、通りに面した敷地の角に置いている。荷を運び出しやすい位置に荷造りの蔵を構えた配置と読める。内部は間仕切りのない一室で、小屋組は西洋式のトラスである。柱の少ない広い床は、荷を広げて梱包するのに向いている。

海鼠壁と人造石洗出しの腰

壁は漆喰で軒下の鉢巻まで塗り込める。腰は海鼠壁、つまり平瓦を張って目地を漆喰でかまぼこ形に盛り上げた仕上げである。

ただし道路側だけは、腰を人造石洗出し仕上げとし、目地を切って石張り風に見せている。通りに向く面にだけ、隣の鈴善店舗の外壁と同じ技法を用いた。伝統的な海鼠壁と昭和の洋風の仕上げを、見る人の側で使い分けた蔵である。

屋根は地元産の赤瓦で葺く。文化庁の解説は、鈴善荷造り蔵を城下の歴史的景観の一角をなす建物と評している。

鈴善荷造り蔵の見学

鈴善荷造り蔵は通りに面して建つので、人造石洗出しの腰と赤瓦の屋根は道路から眺められる。西寄りに立つと、通り側の石張り風の腰と、敷地側の海鼠壁との切り替わりを見比べやすい。

敷地は会津塗伝承館 鈴善として公開されているが、公式サイトは施設名で案内しており、鈴善荷造り蔵がどの施設にあたるか、内部に入れるかは示されていない(2026年10月確認)。入館の条件と行き方は鈴善のページにまとめてある。

Q&A

Q鈴善荷造り蔵はいつ建てられましたか?
A昭和初期(1926〜1945年)の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q鈴善荷造り蔵は何のための蔵でしたか?
A商品の荷造りに使われた蔵です。漆器の問屋が得意先へ送る品物を梱包する作業場でした。
Q鈴善荷造り蔵の腰壁にはどんな特徴がありますか?
A腰は海鼠壁ですが、道路側だけは人造石洗出し仕上げで目地を切り、石張り風に見せています。
Q鈴善荷造り蔵はほかの蔵とどこが違いますか?
A鈴善の登録された蔵のうち平屋建はこの棟だけで、ただ1棟、通りと平行に東西へ棟を向けています。
Q鈴善荷造り蔵は見学できますか?
A通りに面しているので外観は道路から見られます。内部を見学できるかは公式サイトでは示されていません。

基本情報

名称鈴善荷造り蔵
所在地福島県会津若松市中央1丁目138他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)登録
員数1棟
寸法建築面積49㎡
所有者記載なし(文化庁データベースの所有者欄は空欄)
公開状況外観は道路から。敷地は会津塗伝承館 鈴善として公開(この棟の公開は未確認)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)鈴善荷造り蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013929
文化遺産オンライン 鈴善荷造り蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/598199
会津塗伝承館 鈴善 鈴善の歴史
https://suzuzen.com/pride/
会津塗伝承館 鈴善 施設のご紹介
https://suzuzen.com/facility/

最終更新日: 2026.10.02