真龍寺鐘楼とは
真龍寺鐘楼(しんりゅうじしょうろう)は、岐阜県岐阜市長良の真龍寺にある明治31年(1898年)建築の鐘楼で、令和4年(2022年)10月31日に登録有形文化財となった。木造、瓦葺で、面積は6.4平方メートルである。
山門の西側に並んで建ち、四方の柱のあいだに壁を設けない吹き放ちの造りである。建築年代は棟札による。
登録の理由と価値
真龍寺鐘楼の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、百々ヶ峰を背に山門と並ぶ姿が歴史的な伽藍の景観をつくっていると評価する。岐阜市も、装飾を抑えた端正な造りが背後の山並みと合わさり、地域の景観に寄与していると説明している。
棟梁は笠原治七(かさはらじしち)である。文化庁の解説によると、治七は本堂を建てた棟梁の弟子にあたる。本堂の完成から17年後、師の建てた本堂の前で、弟子が鐘楼を建てたことになる。
内転びの円柱と方一間の骨組み
真龍寺鐘楼の基壇は、形のそろわない石を不規則に積んだ乱石積(らんせきづみ)である。その上に柱の受け台となる礎盤を置き、円柱を立てる。柱は垂直ではなく、わずかに内側へ傾けて建てる内転びの技法を用いている。上に向かってすぼまる柱は、屋根の重みを受ける構えを安定させる。
4本の柱は貫と虹梁、頭貫(かしらぬき)で縦横に固められる。平面は1間四方の方一間(ほういっけん)で、壁を張らずに吹き放ちとしている。
入母屋屋根と軒まわり
真龍寺鐘楼の屋根は入母屋造の桟瓦葺である。軒は地垂木の先に飛檐垂木を重ねた二軒(ふたのき)で、柱の上には三斗組を載せ、天井には格天井を張る。
彫刻で飾り立てるのではなく、組物と軒の段で格を整えた造りである。岐阜市の資料も、装飾を抑えた端正さをこの鐘楼の特徴に挙げている。
真龍寺鐘楼の見学
真龍寺鐘楼は壁のない吹き放ちなので、柱や組物、天井まで外から見通せる。内転びの柱の傾きは、少し離れて側面から見ると分かりやすい。文化庁の写真は南東と西から写しており、南東からは山門と並ぶ姿が、西からは柱と軒の重なりがよく見える。
鐘をつけるかどうかの案内は出ていない。拝観料や撮影についての案内も見当たらないため、法要の最中は寺の指示に従いたい。
Q&A
- 真龍寺鐘楼はいつ建てられたのですか?
- 棟札により明治31年(1898年)の建築と分かっています。
- 真龍寺鐘楼を建てた大工は誰ですか?
- 棟梁は笠原治七で、本堂を建てた棟梁の弟子にあたります。本堂の完成から17年後の仕事です。
- 真龍寺鐘楼はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 百々ヶ峰を背に山門と並ぶ姿が歴史的な伽藍の景観をかたちづくるとして、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で令和4年(2022年)10月31日に登録されました。
- 真龍寺鐘楼の柱の「内転び」とは何ですか?
- 柱を垂直ではなく、わずかに内側へ傾けて建てる技法です。屋根の重みを受ける構えが安定します。
- 真龍寺鐘楼は近くで見られますか?
- 壁のない吹き放ちの造りで、境内から柱や組物、天井まで見通せます。拝観料の案内はありません。
基本情報
| 名称 | 真龍寺鐘楼 |
|---|---|
| 所在地 | 岐阜県岐阜市長良2509-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和4年(2022年)10月31日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 面積6.4平方メートル |
| 所有者 | 宗教法人真龍寺 |
| 公開状況 | 境内から外観を見学可(拝観料・撮影の案内なし) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 真龍寺鐘楼(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014386
- 文化遺産オンライン 真龍寺鐘楼
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/556995
- 岐阜市 [国登録]真龍寺本堂ほか3件
- https://www.city.gifu.lg.jp/kankoubunka/bunkazai/1005549/1021043/1021041/1023383.html
- 岐阜市 真龍寺 建造物の解説(PDF)
- https://www.city.gifu.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/023/383/kaisetu_sinryuji.pdf
最終更新日: 2026.10.04