一間社とは
一間社は、正面の柱間が一間の社殿をいう。間は柱と柱の間を数える単位で、正面に柱が2本だけ立ち、その間が1つであれば一間社、柱が4本で間が3つであれば三間社となる。
記録では、この語を屋根や平面の形式の前に冠して書く。京都府亀岡市の梅田神社本殿(建武5年・1338年、重要文化財)は構造欄に「一間社流造、檜皮葺」とあり、埼玉県熊谷市の歓喜院三宝荒神社(天明7年・1787年)も「一間社流造」と記される。流造・春日造・神明造のいずれにも付き、福島市の瓶子家住宅氏神社(明治21年)のように「一間社切妻造」と書かれる例もある。
JAANUS(日本建築・美術用語辞典)は、一間社を本殿が一間の小さな社殿とし、春日造と結びつくことが多いと説明する。正面に階段を設けず棚を張り出したものは見世棚造と呼ばれる。
記録の読み方と見るときの手がかり
「一間社流造」は「一間社」と「流造」を組み合わせた表記で、一つの形式名ではない。正面の柱間の数と屋根の形式を別々に読み取るとよい。三間社流造であれば、正面三間の流造である。
現地では、正面に立って柱の本数を数える。向拝の柱ではなく、身舎(建物本体)の正面の柱を数えるのがこつで、身舎の柱が2本なら一間社である。向拝の柱は身舎の前に別に立つので、数に入れない。
一間社は小さいため、本殿の脇や背後に並ぶ境内社に多く、覆屋に納められている例も多い。ただし梅田神社本殿のように、一間社が神社の本殿そのものである場合もある。記事では、記録の構造欄の表記をそのまま写すのが確実である。
参考文献
- JAANUS(Japanese Architecture and Art Net Users System)ikkensha-zukuri 一間社造
- https://projects.mcah.columbia.edu/jaanus/record/ikkenshazukuri
- 国指定文化財等データベース(文化庁)梅田神社本殿
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/1981
- 国指定文化財等データベース(文化庁)歓喜院三宝荒神社
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011452
- 国指定文化財等データベース(文化庁)瓶子家住宅氏神社
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011252
最終更新: 2026.10.04