建築面積918平方メートル、L字に折れる大正の大蔵

賀茂鶴酒造三号蔵は、広島県東広島市西条本町の賀茂鶴酒造本社の敷地に建つ大正前期(1912〜1918年)の土蔵造2階建の酒蔵で、平成29年(2017年)6月28日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「かもつるしゅぞうさんごうぐら」である。

賀茂鶴酒造三号蔵は二号蔵東西棟の背面の西端に接し、直角に折れて延びるL字形の平面をもつ。建築面積は918平方メートルで、賀茂鶴酒造の19件では四号蔵に次ぐ大きさである。

板張りの腰と、仕切りのない2階

屋根は切妻造の桟瓦葺。外壁は腰を板張とし、上部を漆喰で塗る。腰を海鼠壁とする二号蔵や四号蔵とは足元の仕上げが違い、隣り合う蔵を見比べると表情の差がはっきりする。

1階は南北に延びる部分の北側に通路を通すが、2階は全体を仕切らず一室として使う。L字形に折れる大きな平面を、2階では壁で区切らずに広くとっている。西に立つ三号蔵煙突は、基部が釜場の建物の中に取り込まれている。

賀茂鶴酒造三号蔵だけに与えられた登録基準

登録基準は「再現することが容易でないもの」である。賀茂鶴酒造の19件でこの基準による登録は賀茂鶴酒造三号蔵だけで、ほかは景観への寄与か造形の規範による。規模の大きな土蔵造の酒蔵を、同じ材料と技術でいま新たに造ることの難しさが評価されたと考えられる。

蔵元の沿革は、二号蔵・四号蔵・八号蔵の改修について記しているが、三号蔵の現在の用途には触れていない。

賀茂鶴酒造三号蔵の見学

賀茂鶴酒造三号蔵は醸造蔵の敷地の内側にあり、公開の案内はない。二号蔵東西棟の背後に位置するため、通りから全体を見ることは難しい。

目印になるのは、西に立つ高さ23.4メートルの三号蔵煙突である。「賀茂鶴第三醸造場」の文字が見える方角に、賀茂鶴酒造三号蔵がある。

Q&A

Q賀茂鶴酒造三号蔵の大きさは?
A建築面積918平方メートルの土蔵造2階建で、L字形の平面をもちます。賀茂鶴酒造の登録物件で2番目の大きさです。
Q賀茂鶴酒造三号蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁の年代は大正前期(1912〜1918年)です。
Q賀茂鶴酒造三号蔵の登録基準は?
A「再現することが容易でないもの」です。賀茂鶴酒造の19件でこの基準はこの蔵だけです。
Q賀茂鶴酒造三号蔵の外壁の特徴は?
A腰を板張、上部を漆喰塗とし、海鼠壁の二号蔵・四号蔵とは足元の仕上げが異なります。
Q賀茂鶴酒造三号蔵は見学できますか?
A公開の案内はありません。西に立つ三号蔵煙突が位置の目印になります。

基本情報

名称賀茂鶴酒造三号蔵(かもつるしゅぞうさんごうぐら)
所在地広島県東広島市西条本町574-1他
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号34-0220
指定年平成29年(2017年)6月28日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、L字形平面、建築面積918平方メートル
所有者賀茂鶴酒造株式会社
公開状況醸造蔵の敷地内、公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):賀茂鶴酒造三号蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011809
国指定文化財等データベース(文化庁):賀茂鶴酒造二号蔵東西棟
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011804
賀茂鶴酒造株式会社:これまでの150年
https://www.kamotsuru.jp/history/
賀茂鶴酒造株式会社:賀茂鶴の酒蔵が登録有形文化財に
https://www.kamotsuru.jp/news/7884/

最終更新日: 2026.10.01