信岡家住宅西の蔵とは
信岡家住宅西の蔵は、広島県福山市新市町戸手の信岡家住宅で主屋の西に建つ文化5年(1808年)の土蔵造2階建の道具蔵で、平成20年(2008年)4月18日に登録有形文化財(建造物)となった。
東西に長い棟で、桁行13メートル、梁間5.1メートル、建築面積は66平方メートル。切妻造の本瓦葺である。規模は東の蔵とまったく同じだが、棟の向きは東の蔵の南北に対して東西と、直角に違えている。
文化5年は、信岡家住宅の8棟のなかでもっとも古い年代である。主屋と東の蔵の文政9年(1826年)より18年早く、今の屋敷の建物のなかで最初に建ったのがこの信岡家住宅西の蔵ということになる。
登録の理由と価値
信岡家住宅西の蔵は「再現することが容易でないもの」という基準で登録された。200年以上前の土蔵が、海鼠壁の意匠まで含めて残っている点が評価されている。
米を納めた東の蔵に対し、西の蔵は道具蔵とされる。道具蔵には、膳や椀、屏風、掛軸など、来客や仏事、祝い事のときに出す品が納められることが多い。信岡家住宅西の蔵が座敷や茶室のある屋敷の西側に建つのも、こうした品を客を迎える場の近くにしまっておくためだったと考えられる。
構造と見どころ
意匠を変えた海鼠壁
腰の部分と庇の上などに海鼠壁を張るが、文化庁の解説によれば、場所によって海鼠壁の意匠を変えて外観に変化をもたせている。平瓦の並べ方や目地の組み方の違いを、壁の高さごとに見比べてみたい。
東西2室と2つの戸口
内部は東と西の2室に分ける。戸口は東面と南面の2か所に設けられ、それぞれの部屋に別々に出入りできるようになっている。
L字にまわる庇
東面から南面にかけて、桟瓦葺の庇をL字形にまわしている。2つの戸口はどちらもこの庇の下に入るので、雨の日でも濡れずに出し入れができる。蔵本体の本瓦葺と、庇の桟瓦葺の葺き分けも見どころである。
見学について
信岡家住宅西の蔵は2026年10月時点で一般公開の案内がなく、内部は見学できない。主屋の西という屋敷の奥まった位置にあるため、街道からは見えにくいと考えられる。信岡フラットミュージアムの催しで敷地に入れる日があっても、西の蔵まで近づけるかは催しごとに確認したい。
Q&A
- 信岡家住宅西の蔵はいつ建てられましたか?
- 文化5年(1808年)の建築で、信岡家住宅の8棟のなかでもっとも古い建物です。
- 信岡家住宅西の蔵は何に使われた蔵ですか?
- 文化庁の解説では道具蔵とされています。米蔵と伝わる東の蔵とは役割が分かれていました。
- 信岡家住宅西の蔵の大きさは?
- 土蔵造2階建、本瓦葺の切妻屋根で、桁行13メートル、梁間5.1メートル、建築面積66平方メートルです。東の蔵と同じ規模です。
- 信岡家住宅西の蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
- 「再現することが容易でないもの」という基準で、平成20年(2008年)4月18日に登録されました。場所ごとに意匠を変えた海鼠壁が特徴です。
- 信岡家住宅西の蔵は見学できますか?
- 2026年10月時点で一般公開の案内はなく、内部は見学できません。屋敷の奥にあるため、街道からも見えにくい位置です。
基本情報
| 名称 | 信岡家住宅西の蔵(のぶおかけじゅうたくにしのくら) |
|---|---|
| 所在地 | 広島県福山市新市町大字戸手2166 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成20年(2008年)4月18日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積66平方メートル |
| 所有者 | 有限会社信岡地所 |
| 公開状況 | 非公開(一般公開の案内なし) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「信岡家住宅西の蔵」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007129
- 文化遺産オンライン「信岡家住宅西の蔵」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/144391
最終更新日: 2026.10.08