總持寺祖院の暮らしと事務を支える庫裏、總持寺祖院香積台
總持寺祖院香積台は、石川県輪島市門前町門前の總持寺祖院にある昭和29年(1954年)頃の庫裏で、平成20年(2008年)3月7日に国の登録有形文化財に登録された。「香積台」は「こうしゃくだい」と読み、禅寺で台所を中心に寺の生活を担う建物を指す呼び名として使われている。
文化庁の解説によると、總持寺祖院香積台は仏殿の西に建つ木造2階建の建物である。屋根は切妻造で、妻側を正面とする妻入、瓦は桟瓦葺とし、まわりに下屋の庇をめぐらせる。建築面積は584平方メートルにおよび、廊下が付く。内部は大きな台所と数多くの居室に仕切られている。
伽藍の中心にある大祖堂や仏殿が大正時代の建物であるのに対し、總持寺祖院香積台は戦後の昭和中期に建てられた。修行僧の食事をまかない、寺の事務をとる建物として、いまも寺の運営の拠点になっている。令和8年(2026年)1月と2月には、寺の震災復興本部が工事業者を選ぶ委員会や入札を祖院香積台で開いたと寺のお知らせにある。
總持寺祖院香積台が登録有形文化財となった理由
總持寺祖院香積台の登録番号は17-0172で、第58回の登録にあたる。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。同じ日には、香積台と山門を結ぶ禅悦廊と、回廊の内側に建つ白山井戸も登録されている。
文化庁が注目しているのは、總持寺祖院香積台が回廊の一部を兼ねている点である。北の正面から東面にかけての下屋と、東面に付く廊下が、伽藍の主要な堂をめぐる回廊につながっている。台所と居室を収めた生活の建物でありながら、境内の動線にも組み込まれているわけで、大きな禅寺の庫裏らしい成り立ちといえる。
總持寺祖院香積台の見どころ:開放的な正面と花頭風の窓
總持寺祖院香積台の正面は、中央の出入口の間口を2間と広くとる。その両脇と2階には花頭窓風の窓を開け、格子をはめている。文化庁の解説はこの構えを「開放的な外観」と評しており、閉じた壁で囲む土蔵のような庫裏とは印象が異なる。
切妻の妻を正面に向けた大きな屋根と、そのまわりに回した下屋の庇が、2階建の建物を低く落ち着いて見せている。花頭風の窓の曲線は、禅寺の建物によく見られる意匠を取り入れたもので、戦後の建物でありながら大正期の伽藍と調子をそろえている点に目を留めたい。
總持寺祖院香積台は令和6年(2024年)1月1日の地震でも被害を受け、寺が公表した被害状況には被災後の写真が3枚載っている。寺の震災復興本部が発足した時点の計画では、令和10年(2028年)4月から令和12年(2030年)3月にかけて修理を行う予定である。また、仏殿の解体格納工事の一部として、香積台廊下も解体して格納することが示されている。
總持寺祖院香積台の見学
總持寺祖院香積台は寺の運営に使われている建物で、寺の境内案内に載る拝観の対象は法堂・山門・仏殿・経蔵・僧堂である。總持寺祖院香積台の内部を拝観コースとして公開する案内は見当たらない。外観は、拝観できる区域から眺めることになる。
境内には地震のあと立ち入りを禁じた区域が残っており、修理工事が始まると周囲の見え方も変わる。撮影の決まりについても公式サイトに記載がないので、建物にカメラを向ける前に受付で確かめておきたい。境内への行き方と拝観時間・拝観料は總持寺祖院のページにまとめてある。
Q&A
- 總持寺祖院香積台はどのような建物ですか?
- 總持寺祖院の仏殿の西に建つ木造2階建の庫裏です。大きな台所と多くの居室があり、建築面積は584平方メートルあります。いまも寺の運営の拠点として使われています。
- 總持寺祖院香積台の読み方と、いつ建てられたかを教えてください。
- 「そうじじそいんこうしゃくだい」と読みます。文化庁のデータベースでは昭和29年(1954年)頃の建築とされています。
- 總持寺祖院香積台はいつ登録有形文化財になりましたか?
- 平成20年(2008年)3月7日に登録されました。登録番号は17-0172で、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。
- 總持寺祖院香積台の中は見学できますか?
- 内部を拝観コースとして公開する案内は見当たりません。寺の運営に使われている建物なので、拝観できる区域から外観を見る形になります。撮影の可否は受付で確かめてください。
- 總持寺祖院香積台は能登半島地震で被害を受けましたか?
- 令和6年(2024年)1月1日の地震で被害を受けました。寺の復興計画では、令和10年(2028年)4月から令和12年(2030年)3月にかけて修理する予定です。
基本情報
| 名称 | 總持寺祖院香積台 |
|---|---|
| 所在地 | 石川県輪島市門前町門前壱2-1他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成20年(2008年)3月7日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造2階建、建築面積584平方メートル、廊下付 |
| 所有者 | 宗教法人大本山總持寺祖院 |
| 公開状況 | 境内の拝観は有料(大人500円)。内部公開の案内なし |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):總持寺祖院香積台
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00006827
- 大本山總持寺祖院:境内のご案内
- https://noto-soin.jp/visit/keidai/
- 大本山總持寺祖院:能登半島地震における被害の状況について
- https://noto-soin.jp/news/71/
- 大本山總持寺祖院:【震災復興本部だより】復興に向けての歩み①
- https://noto-soin.jp/news/90/
- 大本山總持寺祖院:【震災復興本部だより】復興に向けての歩み③
- https://noto-soin.jp/news/92/
- 大本山總持寺祖院:【震災復興本部だより】復興に向けての歩み④
- https://noto-soin.jp/news/93/
最終更新日: 2026.10.04