横屋酒造枯し場とは
横屋酒造枯し場は、岩手県一関市千厩町の旧横屋酒造の敷地にある大正末期建築の木造平屋建の乾燥小屋で、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。
東蔵の東側に平行して建ち、桁行22メートル、梁間7.5メートル、建築面積は164平方メートル。「枯し」は乾かすことを意味し、もとは燃料の亜炭を乾燥させる場所だった。登録の時点では、酒のタンク置場として使われていた。
登録の理由と価値
亜炭は石炭のなかでも炭化の進んでいない低品位の燃料で、東北地方では明治から昭和にかけて家庭や工場で広く燃やされた。水分が多いため、よく乾かしてから使う必要がある。横屋酒造枯し場は、その燃料を風に当てて乾かすために建てられた。
文化庁の解説は、この建物を伝統的な酒造りの一端を伝える施設と位置づけている。酒造りには大量の熱が要り、蔵や作業棟だけでなく燃料を扱う建物まで残っている点が、横屋酒造の酒造施設群の資料的な価値を高めている。登録番号は03-0053。
見どころ:吹き放しの柱列
横屋酒造枯し場は壁を持たない。柱間はすべて吹き放しで、風が建物のなかを自由に通り抜ける。乾燥小屋としての用途がそのまま形になっている。
柱は丸太に近い形のもので、両側に2間ごとに立ち並ぶ。その上にトラスを組み、切妻造・鉄板葺の屋根を架ける。22メートルの長さに同じ間隔で柱が続くので、妻側から建物の奥をのぞくと、柱とトラスの繰り返しが遠近法の図のように連なって見える。白い漆喰の東蔵と並べて見ると、壁で閉ざした蔵と、壁を取り払った乾燥小屋との対比がはっきりする。
見学方法
横屋酒造枯し場は東蔵の東、ビン詰工場と同じ北方137-2の区画にある。千厩酒のくら交流施設の開館日には敷地内から外観を無料で見学できる。壁のない建物なので、外からでも柱とトラスの構成をよく見ることができる。敷地への行き方と開館日・開館時間は、横屋酒造・佐藤家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 横屋酒造枯し場は何に使われた建物ですか?
- もとは燃料の亜炭を乾燥させる場所でした。平成15年(2003年)の登録時点では、酒のタンク置場として使われていました。
- 「枯し場」とはどういう意味ですか?
- 「枯らす」は乾かすことを意味し、物を乾燥させる場所を指します。横屋酒造枯し場では亜炭を乾かしていました。
- 横屋酒造枯し場の構造の特徴は何ですか?
- 丸太状の柱を両側に2間ごとに立て、トラスを組んで切妻造・鉄板葺の屋根を架けています。柱間はすべて吹き放しで、壁がありません。
- 横屋酒造枯し場は見学できますか?
- 千厩酒のくら交流施設の開館日に、敷地内から外観を無料で見学できます。壁のない吹き放しの建物なので、外から柱とトラスの構成がよく見えます。
- 横屋酒造枯し場の大きさはどのくらいですか?
- 桁行22メートル、梁間7.5メートルの木造平屋建で、建築面積は164平方メートルです。
基本情報
| 名称 | 横屋酒造枯し場(よこやしゅぞうからしば) |
|---|---|
| 所在地 | 岩手県一関市千厩町千厩字北方137-2 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成15年(2003年)1月31日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積164平方メートル(桁行22メートル、梁間7.5メートル) |
| 所有者 | 一関市 |
| 公開状況 | 開館日に敷地内から外観を無料で見学可。内部は常時公開ではない |
参考文献
- 横屋酒造枯し場|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003042
- 千厩酒のくら交流施設(千厩まちづくり株式会社)
- https://sakenokura.com/wp/kura/
最終更新日: 2026.09.25