横屋酒造蔵人炊事場とは

横屋酒造蔵人炊事場は、岩手県一関市千厩町の旧横屋酒造の敷地にある大正末期建築の木造平屋建の炊事場で、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。

西の造り蔵と、それに接する釜場とが出会う北の隅にある。建築面積は42平方メートルで、横屋酒造の登録建物9件のなかではもっとも小さい。造り蔵から張り出した庇の部分と、それに続く切妻造の部分とで1つの建物になっている。

登録の理由と価値

蔵人は、杜氏のもとで酒造りに従事する働き手である。寒い時期に仕込みを行う酒造りでは、蔵人が冬のあいだ酒蔵に住み込み、昼夜を問わず作業に当たるのが一般的だった。岩手県は南部杜氏の本拠地として知られ、県内の酒蔵にはこうした働き手の暮らしを支える場所が欠かせなかった。

横屋酒造蔵人炊事場は、その蔵人の炊事や休憩に使われた建物である。文化庁の解説は、簡素な建物ではあるが、酒造に従事する人のための生活の場であり、酒造施設に欠かせない存在であると評価している。蔵や作業棟だけでなく、そこで働いた人の日常を支えた建物まで残っている点に、この酒造施設群のまとまりの良さがある。登録番号は03-0050。

見どころ:蔵と作業棟のすきまに

見たいのはその位置である。横屋酒造蔵人炊事場は、米を蒸す釜場と酒を仕込む造り蔵の角に寄り添うように建つ。蔵人は仕込みの合間にすぐ食事をとり、身体を休めることができた。作業の場と生活の場がこれほど近いところに、酒造りの厳しい日課がうかがえる。

壁は柱を見せる真壁造、屋根は鉄板葺。造り蔵の庇を取り込んだ造りは、あとから必要に応じて建て足された建物であることを示している。白い土蔵の大壁と、木の柱が見える小さな炊事場とを並べて見ると、同じ敷地の建物でも、蔵と人のための建物とで作り方が違うことがよく分かる。

見学方法

横屋酒造蔵人炊事場は造り蔵と釜場の北隅、酒造施設の内側にある。千厩酒のくら交流施設の開館日には敷地内から外観を無料で見学できる。ただし、酒造施設の内部を常時公開するという案内は運営者のサイトに見当たらないため、見学は外観が基本と考えたい。内部を見たい場合は、千厩まちづくり株式会社(電話0191-53-2070)へ事前に問い合わせるとよい。敷地への行き方と開館日・開館時間は、横屋酒造・佐藤家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q横屋酒造蔵人炊事場は何に使われた建物ですか?
A酒造りに従事する蔵人が炊事をし、休憩をとるための建物です。
Q蔵人とは何ですか?
A杜氏のもとで酒造りに従事する働き手のことです。寒い時期の仕込みに合わせ、冬のあいだ酒蔵に住み込んで働くのが一般的でした。
Q横屋酒造蔵人炊事場は敷地のどこにありますか?
A西の造り蔵と、それに接する釜場とが出会う北の隅にあります。造り蔵の庇の部分と、それに続く切妻造の部分からなる建物です。
Q横屋酒造蔵人炊事場は見学できますか?
A千厩酒のくら交流施設の開館日に、敷地内から外観を無料で見学できます。内部は常時公開されていないため、入りたい場合は運営者に事前に確認してください。
Q横屋酒造蔵人炊事場はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A大正末期の建築で、平成15年(2003年)1月31日に国の登録有形文化財に登録されました。

基本情報

名称横屋酒造蔵人炊事場(よこやしゅぞうくろうどすいじば)
所在地岩手県一関市千厩町千厩字北方134-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)1月31日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積42平方メートル
所有者一関市
公開状況開館日に敷地内から外観を無料で見学可。内部は常時公開ではない

参考文献

横屋酒造蔵人炊事場|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003039
千厩酒のくら交流施設(千厩まちづくり株式会社)
https://sakenokura.com/wp/kura/

最終更新日: 2026.09.25