横屋酒造釜場とは

横屋酒造釜場は、岩手県一関市千厩町の旧横屋酒造の敷地にある明治末期建築の木造平屋建の作業棟で、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。

東の東蔵と西の造り蔵のあいだに建ち、西側で造り蔵に接続している。建築面積は152平方メートル。釜場は、大釜で湯を沸かし、その蒸気で酒米を蒸すための場所で、蒸した米は隣の造り蔵へ運ばれて麹や酒母、もろみの材料になった。

登録の理由と価値

横屋酒造釜場の外観は簡素で、土蔵造の大蔵に挟まれていると目立たない。文化庁の解説がこの建物を評価するのは、梁間約11メートルという広い内部空間をつくり、造り酒屋に欠かせない役割を担っている点である。周りの蔵が酒を仕込み、貯える場所だとすれば、釜場は毎朝の作業が始まる場所だった。

酒米を蒸す工程は火と大量の蒸気を使う。土蔵ではなく木造の開放的な建物としたのは、そのためとみられる。仕込みの蔵に直接つながる位置に置かれていることも含め、酒造りの手順に沿った配置が残る点に価値がある。登録番号は03-0047。

見どころ:棟の上の大きな気抜

まず屋根の上を見たい。切妻造・鉄板葺の屋根の棟に、大きな気抜(換気のための越屋根)が載っている。蒸米のときに立ちのぼる湯気と熱を外へ逃がすための装置で、横屋酒造釜場の用途をもっともよく表す部分である。

壁は柱を見せる真壁造、小屋組はトラスで組まれている。柱を立てずに約11メートルを渡すトラスのおかげで、大釜と甑(こしき)を据え、蒸した米を広げて冷ます作業に向いた広い床になっている。周囲の白い土蔵と比べて、木造の簡素な作業棟が蔵のあいだに挟まれている姿そのものが、酒蔵の仕事の分担を示している。

見学方法

横屋酒造釜場は造り蔵と東蔵のあいだ、酒造施設のまとまりの内側にある。千厩酒のくら交流施設の開館日には敷地内から外観を無料で見学できる。ただし、酒造施設の内部を常時公開するという案内は運営者のサイトに見当たらないため、見学は外観が基本と考えたい。内部を見たい場合は、千厩まちづくり株式会社(電話0191-53-2070)へ事前に問い合わせるとよい。敷地への行き方と開館日・開館時間は、横屋酒造・佐藤家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q横屋酒造釜場は何をする建物ですか?
A大釜で湯を沸かし、その蒸気で酒米を蒸す作業場です。蒸した米は隣の造り蔵へ運ばれ、麹や酒母、もろみの材料になりました。
Q横屋酒造釜場は見学できますか?
A千厩酒のくら交流施設の開館日に、敷地内から外観を無料で見学できます。内部は常時公開されていないため、入りたい場合は運営者に事前に確認してください。
Q横屋酒造釜場はなぜ木造なのですか?
A米を蒸す作業では火と大量の蒸気を使うため、土蔵ではなく開放的な木造の建物としたとみられます。壁は真壁造、小屋組はトラスです。
Q横屋酒造釜場の屋根の上にあるものは何ですか?
A気抜と呼ばれる換気用の越屋根です。米を蒸すときの湯気と熱を外へ逃がすために設けられています。
Q横屋酒造釜場はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
A明治末期の建築で、平成15年(2003年)1月31日に国の登録有形文化財に登録されました。

基本情報

名称横屋酒造釜場(よこやしゅぞうかまば)
所在地岩手県一関市千厩町千厩字北方134-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成15年(2003年)1月31日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積152平方メートル(梁間約11メートル)
所有者一関市
公開状況開館日に敷地内から外観を無料で見学可。内部は常時公開ではない

参考文献

横屋酒造釜場|国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003036
千厩酒のくら交流施設(千厩まちづくり株式会社)
https://sakenokura.com/wp/kura/

最終更新日: 2026.09.25