金刀比羅宮旭社とは

金刀比羅宮旭社は、香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮境内、表参道の628段目に建つ江戸時代末期、天保8年(1837年)の社殿で、昭和57年(1982年)に棟札2枚とともに重要文化財に指定された。

文化庁の読みは「ことひらぐうあさひのやしろ」で、「あさひしゃ」と読まれることも多い。建物は桁行五間・梁間五間の二重の堂で、入母屋造の屋根を銅瓦で葺き、正面に三間の向拝と軒唐破風を付け、背面の中央を後ろへ張り出させている。香川県観光協会の案内では、高さは約18メートル、総欅造りである。

もとは金毘羅大権現の金堂だった。金刀比羅宮によれば、全国の講から寄進を集め、約40年をかけて弘化2年(1845年)に落成した。文化庁が年代とする天保8年(1837年)は、二階部分の上棟が行われた年にあたる。

金刀比羅宮旭社が重要文化財に指定された理由

文化庁の解説は、旭社を金刀比羅宮の旧神宮寺の金堂として建てられた大規模な二重の仏堂と位置づける。下重は方五間あり、明治になって仏壇を除き、神座に改められた。仏堂の骨格に神社の祭壇が収まった建物で、神仏分離の前後をひとつの建物で見られる。

評価の中心は細部にある。上重の尾垂木は彫刻のように形づくられ、軒は板軒とし、建物のあちこちに彫刻がはめ込まれている。こうした近世的な意匠と手法が、江戸時代末期の特徴をよく示していると文化庁は説明する。

寄進の規模も、この建物の来歴の一部である。金堂の再建に寄せられた寄進者の名簿「金堂寄進帖」には約3万件の名が並び、讃岐国だけでなく武蔵国など遠方の名も見える。金刀比羅宮は、旭社を四国最大の木造社寺建造物と紹介している。

金刀比羅宮旭社の見どころ

628段目の広場に出ると、二重の屋根が正面に大きく立ち上がる。金刀比羅宮の案内によれば、上層の屋根裏には巻雲が、柱間や扉には人物・鳥獣・草花が彫り込まれている。まずは上重の軒下を見上げ、彫刻と化した尾垂木の列を追いたい。

正面に掲げられた「旭社」の扁額は正二位綾小路有長の筆、楼上の「降神觀」の額は清国の王文治の筆と伝わる。祭神は天御中主神・高皇産霊神・神皇産霊神をはじめとする神々で、仏堂として建った堂に、明治以降はこれらの神がまつられている。

金刀比羅宮旭社の令和の大改修

金刀比羅宮旭社では、令和6年(2024年)から「令和の大改修プロジェクト」が始まった。二階の屋根材に白蟻の被害が見つかり、一部の柱には圧壊も認められたため、半解体による修理が必要と判断された。金刀比羅宮によれば、工事用道路の敷設、覆屋の建設、解体、修理、復元と工程を重ね、約50億円をかけて18年にわたって進める計画である。

まず建物の調査工事が進められ、令和8年(2026年)5月21日にはその状況を伝える第1回の報告会が開かれた。覆屋が建つと外観は見られなくなるので、訪れる前に公式サイトで工事の進み具合を確かめておきたい。

金刀比羅宮旭社の見学方法

金刀比羅宮旭社は表参道の途中にあり、境内の参拝時間(香川県観光協会の案内では午前6時から午後6時まで)であれば料金はかからない。大門から石段を上り、書院の前を過ぎてさらに上った628段目の広場に建つ。参道はここで上りと下りに分かれ、上りの道が御本宮へ続く。

参拝は社殿の前で行う。金刀比羅宮は、ふだん見られない旭社の二階の様子を3Dで探索できるデジタルサイネージを紹介しており、二階の内部は一般に公開されていない。撮影についての特別な案内は公式サイトに見当たらないので、修理中の区域を含め現地の掲示に従いたい。境内への行き方は金刀比羅宮のページにまとめてある。

Q&A

Q金刀比羅宮旭社は何段目にありますか?
A表参道の628段目の広場に建っています。御本宮(785段目)の手前で、参道はここで上りと下りに分かれます。
Q金刀比羅宮旭社はいつ建てられましたか?
A文化庁は天保8年(1837年)としています。金刀比羅宮によれば、この年に二階部分の上棟があり、弘化2年(1845年)に落成しました。
Q金刀比羅宮旭社はもともと何の建物ですか?
A金毘羅大権現の金堂として建てられた仏堂です。明治の神仏分離で仏壇が除かれて神座となり、旭社と改められました。
Q金刀比羅宮旭社は修理中ですか?
A令和6年(2024年)から18年計画の「令和の大改修プロジェクト」が進んでいます。令和8年(2026年)5月の時点では調査工事の段階で、今後は覆屋を建てて半解体修理を行う予定です。
Q金刀比羅宮旭社の拝観料はかかりますか?
Aかかりません。境内の参拝時間内であれば、社殿の前で自由に参拝できます。

基本情報

名称金刀比羅宮旭社(ことひらぐうあさひのやしろ)
所在地香川県仲多度郡琴平町(金刀比羅宮境内、表参道628段目)
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和57年(1982年)
員数1棟(附 棟札2枚)
寸法桁行5間、梁間5間、二重、高さ約18m
所有者金刀比羅宮
公開状況外観は参拝時間内に自由に見学可(無料)。二階内部は非公開。令和6年(2024年)から保存修理事業中

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):金刀比羅宮旭社
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3302
文化遺産オンライン:金刀比羅宮旭社
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/202229
金刀比羅宮:旭社 令和の大改修プロジェクト御奉賛のお願い
https://www.konpira.or.jp/asahi/a.html
金刀比羅宮:旭社 令和の大改修プロジェクト
https://www.konpira.or.jp/asahi/general-information/article.html
金刀比羅宮:公式サイト トップページ
https://www.konpira.or.jp/index.htm
金刀比羅宮:参拝ガイド 御本宮編
https://www.konpira.or.jp/articles/20200616_guide/article.htm
香川県観光協会 うどん県旅ネット:参拝ガイド 参拝編
https://www.my-kagawa.jp/konpira/feature/kotohiragu/guide3
香川県観光協会 うどん県旅ネット:金刀比羅宮
https://www.my-kagawa.jp/konpira/feature/kotohiragu/about

最終更新日: 2026.10.02