金刀比羅宮表書院及び四脚門とは

金刀比羅宮表書院及び四脚門は、香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮境内にある江戸時代前期、承応3年から万治年間(1654〜1660年)に建てられた客殿と門で、表書院が昭和30年(1955年)、四脚門が昭和57年(1982年)に重要文化財に指定された。

指定は表書院と四脚門の2棟からなる。表書院は桁行21.7メートル、梁間16.9メートルの平屋で、入母屋造の屋根を檜皮葺とし、正面の軒に軒唐破風を付ける。四脚門は表書院の正面に建ち、切妻造の屋根を本瓦で葺いている。

江戸時代、金刀比羅宮は金毘羅大権現と呼ばれ、別当の金光院が境内を治めていた。表書院は、その金光院が諸儀式や参拝に訪れた人々の応接に使った客殿である。金刀比羅宮は建築年代を萬治年間(1658〜1660年)と伝えている。

金刀比羅宮表書院及び四脚門が重要文化財に指定された理由

表書院は、金毘羅大権現の時代の格式をいまに伝える書院造の客殿である。内部の五つの間には円山応挙の障壁画が残り、建物とともに重要文化財に指定されている。金刀比羅宮によれば、応挙の障壁画はいずれも晩年の天明から寛政年間(1781〜1801年)にかけて描かれ、三井家の資金援助を受けて京都で制作されたと伝わる。

四脚門は、表書院から27年遅れて追加指定された。文化庁の解説は、この門を表書院の前方に建つ門として、表書院と一連の計画で建てられたものと見ている。形が整い質のよい四脚門で、格天井や透かし彫りの彫刻など、細やかな意匠に優れることが評価された。

表書院の障壁画は応挙だけではない。明治時代の歴史画家、邨田丹陵が「富士の間」の二間を描き、玄関には森寛斎の「檜樹鷲図」がある。江戸から明治までの絵が、一つの建物の中で部屋ごとに入れ替わっていく構成になっている。

金刀比羅宮表書院及び四脚門の見どころ

社務所門をくぐると、まず四脚門が正面に立つ。ここでは足を止めて、門の屋根の下を見上げたい。格子を一段持ち上げた折上格天井と、透かし彫りの彫刻が、小さな門としては手の込んだ造りであることを教えてくれる。門越しには、表書院の檜皮葺の屋根と正面の唐破風の軒先が重なって見える。

表書院の中は、鶴之間・虎之間・七賢之間・山水之間・上段之間と、応挙の描いた部屋が続く。虎之間の「遊虎図」は、水を飲む虎の姿から「水呑の虎」の名で知られる。最も格の高い上段之間には「瀑布図」があり、座敷の正面に滝が流れ落ちる。富士一之間・富士二之間では、邨田丹陵の「富士山図」と「巻狩図」が明治の筆致を見せる。

部屋の外には「林泉」と呼ばれる庭が広がる。5月5日と7月7日には、表書院の前庭で蹴鞠が奉納される。

金刀比羅宮表書院及び四脚門の見学方法

表書院は、金刀比羅宮の博物館施設の一つとして公開されている。開館時間は午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)で、入館料は一般800円、高校生・大学生400円、中学生以下は無料(2026年10月確認)。宝物館・高橋由一館との共通拝観券もある。開館日は金刀比羅宮の公式サイトの開館日カレンダーで告知され、臨時休館もある。

入口は、大門から桜馬場を進んだ先、高橋由一館の先にある社務所門である。館内で入れる範囲は、公式サイトの表書院案内図に示されている。館内撮影の可否は公式サイトに明記がない。令和5年(2023年)の特別展では会場内の撮影が禁止されていたので、通常の公開時も受付で確かめたい。境内への行き方と参拝時間は、金刀比羅宮のページにまとめてある。

Q&A

Q金刀比羅宮表書院及び四脚門の表書院は、いつ建てられたのですか?
A文化庁のデータベースは承応3年から万治年間(1654〜1660年)とし、金刀比羅宮は萬治年間(1658〜1660年)の建築と伝えています。四脚門も同じ時期の建物です。
Q金刀比羅宮表書院及び四脚門はいつ重要文化財に指定されましたか?
A表書院が昭和30年(1955年)6月22日、四脚門が昭和57年(1982年)2月16日に重要文化財に指定されました。現在は2棟で一つの指定になっています。
Q金刀比羅宮表書院の拝観時間と入館料は?
A午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)で、入館料は一般800円、高校生・大学生400円、中学生以下は無料です。宝物館・高橋由一館との共通拝観券(一般1,500円)もあります。
Q金刀比羅宮表書院では円山応挙のどんな絵が見られますか?
A鶴之間の「遊鶴図」、虎之間の「遊虎図」、七賢之間の「竹林七賢図」、山水之間の「山水図」、上段之間の「瀑布図」です。虎之間の虎は「水呑の虎」の名で親しまれています。
Q金刀比羅宮表書院及び四脚門の四脚門はどこにありますか?
A書院の入口である社務所門を入った先、表書院の正面に建っています。表書院と一連の計画で建てられた門と考えられています。

基本情報

名称金刀比羅宮表書院及び四脚門(ことひらぐうおもてしょいんおよびしきゃくもん)
所在地香川県仲多度郡琴平町(金刀比羅宮境内)
指定区分重要文化財(建造物)
指定年昭和30年(1955年)表書院指定、昭和57年(1982年)四脚門指定
員数2棟
寸法表書院 桁行21.7m、梁間16.9m
所有者金刀比羅宮
公開状況表書院は有料で公開(午前9時〜午後5時、入館は午後4時30分まで。開館日は公式サイトで告知)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):金刀比羅宮表書院及び四脚門 表書院
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3299
国指定文化財等データベース(文化庁):金刀比羅宮表書院及び四脚門 四脚門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/3300
金刀比羅宮:表書院《通常展》
https://www.konpira.or.jp/articles/20200703_drawing-room/article.htm
金刀比羅宮:表書院案内図(入場範囲)PDF
https://www.konpira.or.jp/articles/20200703_drawing-room/materials/floor-map.pdf
金刀比羅宮:特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」
https://www.konpira.or.jp/articles/20230112_the-Jakuchu-exhibition/article.html
金刀比羅宮:参拝ガイド 御本宮編
https://www.konpira.or.jp/articles/20200616_guide/article.htm
琴平町観光協会:金刀比羅宮
https://www.kotohirakankou.jp/spot/see/entry-102.html

最終更新日: 2026.10.02

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