漆原家住宅土塀とは

漆原家住宅土塀(うるしはらけじゅうたくどべい)は、香川県高松市三谷町の漆原家の屋敷を囲む江戸後期(1751年から1830年)の土塀で、延長262メートルにおよび、令和5年(2023年)2月27日に登録有形文化財となった。

瓦葺の土塀で、外側は漆喰、内側は中塗りで仕上げる。屋敷地の東・北・西の三方と、南面の西の端から長屋門までを切れ目なく囲んでいる。所在地は西三谷東1377-1ほかで、複数の地番にまたがる。

長大さと築造の技術

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は37-0484である。漆原家住宅土塀について文化庁が挙げる評価は、長大であることと、築造の技術が高いことの2点に尽きる。

262メートルという延長は、約7,000平方メートルの敷地をほぼ一周する長さである。田園の中で、白い塀の線が屋敷の輪郭そのものになっている。漆原家住宅の登録8件のなかで、主屋・長屋門と並んで江戸後期にさかのぼる数少ない構成要素でもある。

石積の使い分けと弧を描く北東隅

塀は石積の上に建つ。注目したいのは、面によって石の積み方を変えていることである。南面は石を加工して隙間なく合わせる切込接、堀をめぐらせた東・北・西の三面は、粗く加工した石を積む打込接とする。通りに面した表側に、手間のかかる積み方を充てている。

北東部では、塀の平面が敷地の形に合わせて弧を描く。直線でつなぐ方が造りやすいはずの土塀を曲線で回している点に、文化庁の解説は築造技術の高さを見ている。

香川県教育委員会の文化財専門員の記事によると、屋敷の漆喰塀は傷んだ箇所ごとに補修を重ねて保たれている。大規模な修理を待たず、小さな手当てを続けて長い塀を維持しているという。

漆原家住宅土塀を見るには

漆原家住宅土塀は屋敷の外周をなしているため、外の道から見ることができる。南面では切込接の石積と長屋門までの塀が、東・北・西の面では堀に沿って延びる塀と打込接の石積が見える。北東の角では、塀が曲線を描いて回り込む様子が分かる。

塀の内側は漆原家が暮らす個人の住まいで、公開されていない。堀や塀に近づきすぎたり、私有地に立ち入ったりしないようにしたい。

Q&A

Q漆原家住宅土塀の長さはどのくらいですか?
A延長262メートルです。屋敷地の東・北・西の三方と、南面の西端から長屋門までを囲んでいます。
Q漆原家住宅土塀はいつ築かれましたか?
A江戸後期(1751年から1830年)の築造です。主屋・長屋門と同じ時代に屋敷の輪郭ができたことになります。
Q漆原家住宅土塀の石積はどのように違いますか?
A南面は石をきっちり合わせる切込接、堀のある東・北・西の三面は打込接です。
Q漆原家住宅土塀はいつ登録有形文化財になりましたか?
A令和5年(2023年)2月27日に、登録番号37-0484として登録されました。
Q漆原家住宅土塀はどこから眺められますか?
A屋敷の外周をめぐる塀なので、周りの道から眺められます。塀の内側は公開されていません。

基本情報

名称漆原家住宅土塀
所在地香川県高松市三谷町字西三谷東1377-1ほか
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号37-0484
指定年令和5年(2023年)2月27日登録
員数1棟(文化庁データベースの表記。香川県教育委員会の一覧では1基)
寸法土塀、瓦葺、延長262メートル
所有者個人
公開状況敷地内は非公開、外周の塀は道から見られる

参考文献

国指定文化財等データベース 漆原家住宅土塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014531
漆原家住宅土塀(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/559565
香川県内の登録有形文化財(香川県教育委員会)
https://www.pref.kagawa.lg.jp/kenkyoui/shogaigakushu/bunkazai/culturalassets/culturalassets_16.html
讃岐一景を訪ねて vol.01(IKUNAS stories、石田真弥・香川県教育委員会文化財専門員)
https://tao1361.xbiz.jp/story/9866.html

最終更新日: 2026.09.27