坪庭を道路から区切る外塀

松尾酒造煉瓦塀は、高知県香美市土佐山田町西本町の松尾酒造に立つ大正初期の煉瓦造の塀で、平成15年(2003年)7月1日に国の登録有形文化財に登録された。延長は10メートルある。

主屋の南面と北酒蔵の北面のあいだには坪庭があり、松尾酒造煉瓦塀はその東辺を画して、坪庭を東側の道路から区切っている。敷地の内と外の境に立つ外塀である。

1枚厚の小口積、35段

煉瓦は1枚厚で積まれ、積み方は小口積である。小口積は、煉瓦の短い端面(小口)だけを表に見せて積む方法で、壁面には小さな長方形が同じ向きに整然と並ぶ。長手と小口を交互に見せるイギリス積などと比べると、目地の模様が細かく均一に見える。

高さは煉瓦35段分。のちに主屋寄りの部分を改造して、楕円アーチの出入口が設けられた。水平の目地がまっすぐ続く壁のなかで、この楕円の開口だけが曲線を描いている。

文化庁のデータベースは、松尾酒造煉瓦塀を工作物に分類し、員数を「1棟」としている。

白い酒蔵と並ぶ赤い塀

松尾酒造煉瓦塀の登録番号は39-0080、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁の解説は、赤い煉瓦の塀が隣の北酒蔵の白い漆喰壁と際立った対比を見せ、東側の道路沿いの眺めに変化を与えている点を評価している。道路から見ると、主屋の板張りの東面、煉瓦塀、北酒蔵の白壁と、短い区間で材料と色が入れ替わる。

松尾酒造では、表門の左手の袖塀も煉瓦造である。旧街道側と東側道路側の2か所で、大正初期の煉瓦が敷地の縁に使われていることになる。

松尾酒造煉瓦塀の見学

松尾酒造煉瓦塀は東側の道路に面した外塀なので、外観は公道から見られる。主屋と北酒蔵のあいだ、道路沿いの短い区間を探すとよい。楕円アーチの出入口は主屋寄りにある。小口積の細かな目地は、近くに寄って見ると積み方の違いがよくわかる。

塀の内側の坪庭は敷地内にあたり、立ち入りはできない。坪庭の側から塀を見られるかどうかは、蔵元の蔵見学(平日の予約制)を申し込む際に尋ねたい。撮影は公道から、通行の妨げにならない範囲で行いたい。

Q&A

Q松尾酒造煉瓦塀はどこにありますか?
A主屋の南面と北酒蔵の北面のあいだにある坪庭の東辺に立ち、東側の道路に面しています。
Q松尾酒造煉瓦塀の煉瓦はどのように積まれていますか?
A1枚厚の小口積で、煉瓦35段に積まれています。延長は10メートルです。
Q松尾酒造煉瓦塀の楕円アーチは最初からありましたか?
Aいいえ。文化庁の解説によれば、のちに主屋寄りの部分を改造して楕円アーチの出入口が設けられました。
Q松尾酒造煉瓦塀は外から見られますか?
A東側の道路に面しているので、公道から見られます。塀の内側の坪庭には立ち入れません。
Q松尾酒造煉瓦塀はなぜ登録有形文化財なのですか?
A平成15年(2003年)7月1日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録されました。登録番号は39-0080です。

基本情報

名称松尾酒造煉瓦塀(まつおしゅぞうれんがべい)
所在地高知県香美市土佐山田町西本町5-1
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号39-0080
指定年平成15年(2003年)7月1日登録
員数1棟
寸法煉瓦造、1枚厚小口積、35段、延長10メートル
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況外観は東側の公道から見学可。坪庭側は立ち入り不可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):松尾酒造煉瓦塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003477
国指定文化財等データベース(文化庁):松尾酒造表門及び塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003476
文化遺産オンライン:松尾酒造煉瓦塀
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/116557
こうち旅ネット(高知県観光コンベンション協会):松尾酒造株式会社
https://kochi-tabi.jp/search_spot.html?id=16498

最終更新日: 2026.09.27