森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀とは

森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀は、高知県安芸郡奈半利町乙2595にある大正初期の石造の塀で、平成12年(2000年)10月18日に登録有形文化財となった。延長は6メートル、厚さ50センチ、高さ2.5メートルである。

位置は主屋2階屋の南西の端で、そこから道路に沿って南へまっすぐ延びる。文化庁の解説は、この地方に特有の「いしぐろ」塀と呼んでいる。

森家住宅(旧野村茂久馬邸)にある3つの石塀のうち、いちばん短いのが西石塀である。短いぶん、塀の端の納め方、基礎の組み方、頂部の屋根といった、1枚の石塀を成り立たせる部分がひと目で見渡せる。

登録の理由と価値

森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀の登録基準は「再現することが容易でないもの」である。

塀は3つの層でできている。足元は切石を積んだ基礎、その上は丸い浜石を練積にした本体、いちばん上は瓦葺の小さな屋根。浜石は海辺で波に洗われた丸い石で、形も大きさもそろわない。これを崩れないように高さ2.5メートルまで積み上げ、しかも厚さを50センチに抑えるには、石の向きと重心を一つずつ読む手わざが要る。

両端は切石の隅石で固めてある。丸石だけでは角が立たず、端から崩れやすい。四角く加工した石を交互に組んで端を締めることで、丸石の壁面を両側から押さえている。この組み立ての全体が、今では同じ手間で再現しにくい技術として評価された。

見どころ

切石の基礎と浜石の壁

森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀を足元から見上げると、材料の切り替わりがはっきり分かる。下の段は平らな面をそろえた切石、その上は丸みを残した浜石。雨の跳ね返りや地面の湿気を受ける下部に加工石を使い、上部を浜石にしている。

両端の隅石

塀の北端と南端には、角の立った切石が積み重なっている。丸石の面から急に直線が現れるので、端部だけが引き締まって見える。どの石が隅石として長手と短手を交互に向けているかを追うと、組み方の工夫が読める。

主屋から塀へ

北端は主屋2階屋の南西の角に取り付く。板張りの主屋の壁と浜石の塀が一続きに道路へ面し、屋敷の西の表構えをつくっている。建物と塀の継ぎ目に立つと、大正初期に主屋と塀が一体で計画されたことが実感できる。

見学方法

森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀は西側の道路に面しており、道路から全体を見られる。敷地内に入る必要はなく、内部公開のような制限もない。長さ6メートルなので、少し離れれば1枚の写真に収まる。

撮影について公式の案内はないが、塀の背後は個人の住まいである。石に触れたり登ったりせず、道路の通行にも気をつけたい。屋敷への行き方は森家住宅(旧野村茂久馬邸)のページにまとめてある。

Q&A

Q森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀はどこから見られますか?
A屋敷の西側の道路に面しており、道路から全体を見られます。主屋2階屋の南西の角から南へ延びています。
Q森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀の「いしぐろ」とは何ですか?
A浜石を練り積みにした、奈半利一帯に特有の石塀の呼び名です。文化庁の解説でもこの名で呼ばれています。
Q森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀の大きさは?
A延長6メートル、厚さ50センチ、高さ2.5メートルです。屋敷の3つの石塀のうちでいちばん短い塀です。
Q森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀はいつ造られましたか?
A文化庁のデータベースでは大正初期とされています。主屋と同じ時期です。
Q森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀はなぜ登録有形文化財なのですか?
A「再現することが容易でないもの」として、平成12年(2000年)10月18日に登録されました。切石の基礎、浜石の練積み、切石の隅石、瓦葺の小屋根を組み合わせた構法が評価されています。

基本情報

名称森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀
所在地高知県安芸郡奈半利町乙2595
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成12年(2000年)10月18日登録
員数1棟
寸法石造、延長6メートル、厚さ50センチ、高さ2.5メートル
所有者個人
公開状況道路から外観を見学可

参考文献

国指定文化財等データベース 森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001978
文化遺産オンライン 森家住宅(旧野村茂久馬邸)西石塀
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/137748
日本遺産ポータルサイト 森家住宅(旧野村茂久馬邸)主屋 蔵 西石塀 南石塀 東石塀(文化庁)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/3447/

最終更新日: 2026.09.27