大豆を貯え、量るための石と木の小屋

宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋は、宮城県仙台市宮城野区銀杏町の宮城野納豆製造所にある昭和9年(1934年)頃の附属施設で、秋保石積みの石蔵と木造の豆小屋を一体にした建物として、令和元年(2019年)9月10日に国の登録有形文化財となった。

製造棟の西棟の西側に、南を向いて建つ。手前が切妻造・妻入の平屋の石蔵で、原料の大豆を貯える倉庫。その背面に、大豆を量る作業場である木造の豆小屋が付く。

構造は石造及び木造の平屋建、屋根は金属板葺で、建築面積は60平方メートル。平成23年(2011年)と平成29年(2017年)に改修を受けている。

登録の理由と価値

宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋の登録番号は04-170、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、この建物を「納豆製造に欠かせない近代食品工場の附属施設」としている。

納豆の品質は原料の大豆に左右される。湿気や温度の変化から豆を守る倉を、火にも強い石で造り、すぐ裏で計量する。工程の最初の二段が一つの建物にまとまっている点に、工場の合理的な組み立てが表れている。

石蔵の外壁は、仙台市西部の秋保で産する秋保石を積んだまま、漆喰などで覆わずに見せている。仙台の近代の蔵に多く用いられた地元の石材が、食品工場の倉庫にも使われていたことを示す例でもある。

見どころ ― 二つの小屋組

宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋のおもしろさは、石と木という壁の違いだけでなく、屋根の架け方の違いにある。石蔵の屋根はトラスの小屋組、つまり三角形に組んだ部材で広い間口を渡す洋風の構法で架けられている。一方、豆小屋は和小屋で、梁の上に束を立てて屋根を支える在来の構法である。

貯蔵には柱のない広い内部が向き、人が豆を量る作業場は小さな木造で足りる。用途に合わせて構法を使い分けた結果が、一棟の中に同居している。

石蔵の外観は、切妻の妻面を正面に向けた端正な姿である。積まれた石の目地と、豆小屋の下見板張の横縞を見比べると、同じ時期に建てられた一棟とは思えないほど表情が違う。

見学について

宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋は操業中の工場の附属施設で、内部は公開されていない。敷地は塀に囲まれ、一般の立ち入りはできない。

撮影の可否を示す告知は確認できなかった。敷地への行き方と見学の問い合わせ先は、宮城野納豆製造所のページにまとめてある。

Q&A

Q宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋は何に使われていた建物ですか?
A石蔵は原料の大豆を貯える倉庫、背面の豆小屋は大豆を量る作業場です。
Q宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋の石は何ですか?
A仙台市西部の秋保で産する秋保石で、外壁は石積みを覆わずにそのまま見せています。
Q宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋はいつ建てられましたか?
A昭和9年(1934年)頃の建築で、平成23年(2011年)と平成29年(2017年)に改修されました。
Q宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋は見学できますか?
Aできません。操業中の工場の附属施設で、内部・敷地とも非公開です。
Q宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋はなぜ登録有形文化財なのですか?
A納豆製造に欠かせない近代食品工場の附属施設として評価されました。令和元年(2019年)9月10日登録、登録番号は04-170です。

基本情報

名称宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋
所在地宮城県仙台市宮城野区銀杏町663他(郵便表記は銀杏町4-29)
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和元年(2019年)9月10日登録
員数1棟
寸法石造及び木造平屋建、金属板葺、建築面積60平方メートル
所有者有限会社宮城野納豆製造所
公開状況非公開(稼働中の工場。敷地は塀に囲まれ立ち入り不可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)― 宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012862
文化遺産オンライン ― 宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/432292
仙台市の指定・登録文化財 ― 宮城野納豆製造所石蔵及び豆小屋(仙台市教育委員会)
https://www.sendai-c.ed.jp/~bunkazai/shiteidb/c03054.html
仙台市 仙台市の指定・登録文化財
https://www.city.sendai.jp/bunkazai-kanri/kurashi/manabu/kyoiku/inkai/bunkazai/bunkazai/toroku.html

最終更新日: 2026.09.25