渡邊家住宅酒蔵とは

渡邊家住宅酒蔵は、宮崎県日南市油津2丁目の渡邊家の屋敷に建つ明治期の土蔵造の蔵で、平成18年(2006年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された(登録番号45-0038)。文化庁のデータベースは年代を明治期(1868年から1911年)としている。

位置は主屋の南東。規模は桁行5間、梁間3間の土蔵造平屋建で、屋根は切妻造の桟瓦葺、建築面積は67平方メートルある。敷地の奥で小蔵と並んで建ち、道路際の主屋とは役割のまったく違う建物である。

文化庁の解説は、渡邊家住宅酒蔵を当家がある時期に営んだ生業の跡を示す建物と位置づけている。その名が示すとおり、酒造りにかかわる蔵と考えられる。

登録の理由 ― 商家の生業を伝える蔵

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。渡邊家は「京屋」と呼ばれ、天保5年(1834年)から廻船問屋として商いを広げた家で、渡邊家住宅酒蔵はその家業の幅を建物として伝えている。

主屋・西蔵・小蔵とあわせて同じ日に登録されており、道に面した主屋、奥に控える3棟の蔵という屋敷の組み立てのなかで、生業の側を受け持つ一棟である。

見どころ ― 波形に塗り込めた軒裏

外壁は漆喰塗で、目を引くのは軒裏の仕上げである。垂木を見せずに軒の裏まで漆喰で塗り込め、しかもその面を波形に仕上げている。平らに塗った軒裏とは違い、陰影が軒先に沿って波打つ。

出入口は北側の妻面、西寄りにある。瓦葺の庇をかけ、その下に両開きの土戸を備える。庇も漆喰で塗り込めてあり、壁から戸口まわりまで土と漆喰で包む、火に備えた土蔵の造りがよく分かる。切妻の妻側に入口をとる妻入の形式である。

桁行5間・梁間3間という規模は、屋敷の蔵のなかでは西蔵に次ぐ大きさになる。

見学方法

渡邊家住宅酒蔵は民間の屋敷のなかにあり、内部は公開されていない。主屋の南東、敷地の奥に建つため、道路から見える範囲は限られる。敷地には立ち入らず、周囲の道路から見える範囲で眺めるにとどめたい。

撮影も公道から見える範囲に限られる。屋敷への行き方は渡邊家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q渡邊家住宅酒蔵の写真は撮れますか?
A撮影は公道から見える外観に限られます。酒蔵は敷地の奥にあるため、道から写せる範囲は限られます。敷地には入らず、住まいであることに配慮して出入口の前をふさがないようにしてください。
Q渡邊家住宅酒蔵は見学できますか?
A渡邊家住宅酒蔵は民間の屋敷のなかにあり、内部は非公開です。敷地の奥に建っているため、道路から見える範囲も限られます。敷地への立ち入りはできません。
Q渡邊家住宅酒蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは明治期(1868年から1911年)の建築とされています。
Q渡邊家住宅酒蔵はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A渡邊家が一時期営んだ生業の跡を示す土蔵として、平成18年(2006年)3月27日に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q渡邊家住宅酒蔵の建物の特徴は?
A桁行5間・梁間3間の土蔵造平屋建で、切妻造・桟瓦葺の屋根をかけています。漆喰塗の外壁は軒裏まで波形に塗り込められ、北の妻面に瓦葺の庇と両開きの土戸を備えます。建築面積は67平方メートルです。

基本情報

名称渡邊家住宅酒蔵
所在地宮崎県日南市油津2-3-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)3月27日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、切妻造、桟瓦葺、桁行5間・梁間3間、建築面積67平方メートル
所有者民間(文化庁データベースでは非公表)
公開状況非公開(私有地のため敷地内への立ち入り不可)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「渡邊家住宅酒蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005529
日南市「油津の歴史文化遺産を活用したまちづくり計画」(令和6年〈2024年〉3月)
https://www.city.nichinan.lg.jp/material/files/group/8/aburatsumachizukuriplan_20240329.pdf
日南市「油津文化遺産振興事業」
https://www.city.nichinan.lg.jp/soshikikarasagasu/miraisoseika/2/5/5062.html
みやざきデジタルミュージアム「県内国県指定文化財一覧 登録有形文化財」
https://www.miyazaki-archive.jp/d-museum/bunka/ichiran2_01_10.html

最終更新日: 2026.09.25