當麻寺金堂は鎌倉時代に再建された創建時の本堂
當麻寺金堂は、奈良県葛城市當麻の當麻寺にある鎌倉時代前期の仏堂で、明治32年(1899年)に国の重要文化財に指定された。読みは「たいまでらこんどう」。文化庁は建立の年代を文永5年(1268年)以前としている。
葛城市の案内によると、當麻寺は天武天皇10年(681年)に弥勒仏を本尊として金堂を建てたところから伽藍づくりを始めた。いまの本堂(曼荼羅堂)が信仰の中心になる以前、寺の本尊を祀っていたのはこの當麻寺金堂である。寺も金堂を「本来のご本尊・弥勒さまをお祀りするお堂」と案内している。
治承の兵火から鎌倉の再建へ
當麻寺は平安時代後期に一時興福寺の末寺となっていたため、治承4年(1180年)の平家による南都攻めで狙われ、當麻寺金堂は大破した。葛城市によれば、再興の施主となったのは源頼朝である。
いまの建物はこの再興の流れのなかで建てられたもので、文化庁は鎌倉時代前期、文永5年(1268年)以前の建立とする。北に並ぶ講堂が乾元2年(1303年)なので、當麻寺金堂のほうが先に立ち上がったことになる。治承の兵火で講堂は焼失したが、金堂は大破にとどまった。堂内の本尊は、その被害を越えて白鳳時代の姿を伝えている。
入母屋造の5間堂
當麻寺金堂は桁行5間、梁間4間、一重の入母屋造で、屋根は本瓦葺である。講堂が桁行7間の寄棟造なのに対し、金堂はひとまわり小さく、屋根も形が違う。並んだ2棟を見比べると、入母屋の妻側に三角の面が立つ金堂と、四方へ屋根を流す講堂の違いがすぐにわかる。
堂内には、當麻寺の最初の本尊である弥勒仏坐像が祀られる。寺によると、弥勒仏は白鳳時代の塑像で、日本最古の塑像とされる。まわりを守る四天王のうち持国天・増長天・広目天の3体は乾漆像で、多聞天だけが鎌倉時代の木像である。四天王は袂の長い古い様式を伝え、寺は「西域の武人を思わせる」と形容している。
古い仏像を、鎌倉時代に建て直した堂が包んでいる。當麻寺金堂の値打ちは、この取り合わせにある。
金堂の前の石灯籠と影向石
當麻寺金堂の正面には石灯籠が立つ。寺の案内では、二上山の凝灰岩で造られた白鳳時代のもので、日本最古の石灯籠とされる。金堂より古い石造物が、堂の真正面に据えられていることになる。
石灯籠のそばには、影向石と呼ばれる石もある。寺伝では、當麻寺が開かれたとき、役行者がこの石に座って修法を行い、その法力によって百済から四天王が飛来したと伝える。堂内の四天王とあわせて見ると、寺が語ってきた由緒がつながって見えてくる。
當麻寺金堂の拝観
當麻寺金堂の内部は、本堂・講堂とあわせた「伽藍三堂」として公開されている。受付は本堂で、3堂共通の拝観料は大人1,000円、小学生500円、拝観時間は午前9時から午後5時である(2026年9月確認)。
外観は境内から自由に見られる。石灯籠越しに正面を見ると入母屋の屋根の形がよくわかり、講堂との間の通路に回ると、2棟の屋根の違いが一度に目に入る。堂内の撮影可否は受付で確かめたい。境内への行き方は當麻寺のページにまとめてある。
Q&A
- 當麻寺金堂はいつ建てられましたか?
- 文化庁は鎌倉時代前期、文永5年(1268年)以前の建立としています。治承4年(1180年)の兵火で大破したのち、源頼朝を施主として再興されました。
- 當麻寺金堂には何が祀られていますか?
- 當麻寺の最初の本尊である弥勒仏坐像と、その四方を守る四天王像が祀られています。寺によると、弥勒仏は白鳳時代の塑像です。
- 當麻寺金堂の中は拝観できますか?料金は?
- 本堂・講堂とあわせた伽藍三堂として公開されています。受付は本堂で、3堂共通で大人1,000円、小学生500円です(2026年9月確認)。
- 當麻寺金堂と講堂の違いは何ですか?
- 金堂は桁行5間の入母屋造、講堂は桁行7間の寄棟造です。金堂は文永5年(1268年)以前、講堂は乾元2年(1303年)の建立とされます。
- 當麻寺金堂の前にある石灯籠は何ですか?
- 二上山の凝灰岩で造られた白鳳時代の石灯籠で、寺は日本最古の石灯籠と案内しています。
基本情報
| 名称 | 當麻寺金堂 |
|---|---|
| 所在地 | 奈良県葛城市當麻 |
| 指定区分 | 重要文化財 |
| 指定年 | 明治32年(1899年) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 桁行5間、梁間4間、入母屋造、本瓦葺 |
| 所有者 | 當麻寺 |
| 公開状況 | 内部は伽藍三堂として公開(午前9時〜午後5時、3堂共通で大人1,000円) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):當麻寺金堂
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2782
- 葛城市:當麻寺
- https://www.city.katsuragi.nara.jp/soshiki/shokokankoka/kankou/spot/6/3/2161.html
- 當麻寺中之坊:拝観案内 伽藍三堂
- https://taimadera.org/guide/2/index.html
- 當麻寺中之坊:拝観案内 境内の散策
- https://taimadera.org/guide/3/index.html
- あをによし なら旅ネット(奈良県観光公式サイト):當麻寺
- https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/02west_area/taimadera/
最終更新日: 2026.09.30