裏玄関として建てられた27平方メートル

近江神宮斎館玄関は、滋賀県大津市神宮町の近江神宮境内にある昭和19年(1944年)建築の玄関で、平成10年(1998年)に国の登録有形文化財に登録された。

斎館の西面と社務所西棟の北端を結ぶ通路の中央部から、北へ突出させた切妻造、瓦葺の玄関である。建築面積27平方メートル。

文化庁の解説はこれを斎館の裏玄関にあたると記す。表ではなく裏の出入口が、独立した登録有形文化財になっている。

裏でも立面を整える

登録番号は25-0087、登録年月日は平成10年(1998年)10月9日である。裏玄関でありながら、近江神宮斎館玄関の正面はきちんと構成されている。

正面には縦長の桟唐戸を四枚建て込む。桟唐戸は框のなかに桟を組んだ扉で、板戸より格の高い建具である。その長押の上には、細かい縦桟の欄間を入れる。扉の縦線と欄間の縦線が上下で呼応する構成になっている。

組物は舟肘木、妻飾は豕叉首、破風には簡素な懸魚をつける。文化庁の解説は、これらによって立面を整えていると書く。裏という位置づけであっても、外から見える面である以上は形を整える。斎館が接客の建物であることを考えれば、この扱いは自然でもある。

四枚の扉と欄間の桟を数える

近江神宮斎館玄関は斎館に付属する出入口であり、参拝者が通る玄関ではない。内部に入る機会は通常ない。

外から見るなら、正面の構成を数えるのがよい。縦長の桟唐戸が四枚、その上に細かい縦桟の欄間。桟の割り付けが扉と欄間で違うので、線の密度が上下で変わる。妻の破風に付く懸魚は簡素なもので、上段の社殿に付くものとは造りが異なる。

屋根が瓦葺である点も、近江神宮斎館玄関を見分ける手がかりになる。この一帯では斎館が銅板葺、この玄関と参集所が瓦葺で、材が混在している。見学の可否は社務所で確認したい。撮影は境内で自由に行える。

よくある質問

Q近江神宮斎館玄関はどこにありますか。
A斎館の西面と社務所西棟の北端を結ぶ通路の中央部から、北へ突出しています。斎館の裏玄関にあたります。
Q近江神宮斎館玄関の正面はどうなっていますか。
A縦長の桟唐戸を四枚建て込み、長押の上に細かい縦桟の欄間を入れています。扉と欄間で桟の割り付けが違い、線の密度が上下で変わります。
Q近江神宮斎館玄関の大きさと構造は。
A切妻造、瓦葺、建築面積27平方メートルです。舟肘木を用い、妻飾は豕叉首、破風には簡素な懸魚をつけています。
Q近江神宮斎館玄関はなぜ裏玄関なのに整えられているのですか。
A文化庁の解説は、舟肘木や豕叉首、懸魚によって立面を整えていると記しています。斎館が接客の性格を持つ建物であることとも関わります。
Q近江神宮斎館玄関は見学できますか。
A参拝者が通る玄関ではなく、内部に入る機会は通常ありません。見学の可否は社務所で確認できます。境内での撮影は自由です。

基本データ

名称近江神宮斎館玄関(おうみじんぐうさいかんげんかん)
所在地滋賀県大津市神宮町1-1
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録番号 25-0087
指定年平成10年(1998年)10月9日登録、10月26日告示
員数1棟
寸法切妻造、瓦葺、建築面積27平方メートル、正面に桟唐戸四枚と縦桟の欄間
所有者近江神宮
公開状況斎館の裏玄関にあたり内部に入る機会は通常ない。境内の参拝時間は午前6時から午後6時、無料

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「近江神宮斎館玄関」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000865
近江神宮公式サイト「境内図と境内各所のご案内」
https://oumijingu.org/pages/96/

最終更新日: 2026.09.13