境内でいちばん高い段に建つ

近江神宮本殿は、滋賀県大津市神宮町の近江神宮境内にある昭和15年(1940年)建築の本殿で、平成10年(1998年)に国の登録有形文化財に登録された。

三間社流造檜皮葺、建築面積53平方メートル。棟には千木鰹木を上げる。祀るのは第38代天智天皇である。

建つ場所は内内院で、境内でもっとも高い段にあたる。近江神宮本殿へ向かう筋道は外拝殿から内拝殿、登廊、中門、渡廊と段を重ねて上がっていくが、その終点に一般の参拝者が達することはない。

40件の先頭に置かれた棟

登録番号は25-0054。近江神宮の登録有形文化財40件のうち、番号の先頭がこの本殿である。登録年月日は平成10年(1998年)10月9日、登録基準は「造形の規範となっているもの」。

文化庁の解説は、近江神宮本殿を皇紀2600年に合わせて新営された神社建築とし、内務省神社局による集大成作品と記す。設計は角南隆と谷重雄。傾斜地に対応した社殿の配置構成に特色があるとされており、評価はこの一棟だけでなく、段を重ねる構成の全体に向けられている。

三間社流造は正面の柱間を三つとり、前へ流れる屋根を長く伸ばす形式である。近江神宮本殿ではその前面に祝詞舎が張り出す。屋根がひとつながりに見えるのはそのためで、この連続が「近江造」と呼ばれる特徴につながっている。

千木と鰹木を探す

近江神宮本殿に一般の参拝者が近づくことはできない。拝礼は外拝殿で行い、その奥へは進めない。

それでも姿は見える。公式サイトは、外拝殿の中央から両端まで進むと内拝殿の上横に千木と鰹木のある本殿が望める、と案内している。正面からではなく端からのぞく形になる。屋根の稜線を目で追い、交差する二本の木と、その手前に並ぶ短い横木を探せばよい。

屋根の材も同じ位置から確かめられる。境内には銅板葺に替わった棟が多いなかで、近江神宮本殿は祝詞舎・渡廊・中門・翼廊とともに檜皮のままである。色も質感も違うので、屋根だけを見ていても見分けがつく。境内での撮影は自由に行える。

よくある質問

Q近江神宮本殿は近くで見られますか。
A内内院にあるため近づけません。拝礼の位置は外拝殿で、その中央から両端まで進むと、内拝殿の上横に千木と鰹木を上げた本殿の屋根が望めます。
Q近江神宮本殿はどんな形式の建物ですか。
A三間社流造、檜皮葺、建築面積53平方メートルです。棟に千木と鰹木を上げ、正面には祝詞舎が張り出しています。
Q近江神宮本殿はいつ建てられましたか。
A昭和15年(1940年)です。同年11月7日に御鎮座祭が斎行されました。平成10年(1998年)10月9日に登録有形文化財に登録されています。
Q近江神宮本殿の設計者は誰ですか。
A内務省神社局が計画し、角南隆と谷重雄が設計にあたりました。文化庁の解説はこれを集大成作品と評しています。
Q近江神宮本殿の祭神は誰ですか。
A第38代天智天皇です。667年に飛鳥から近江大津宮へ都を遷した天皇で、その旧都に隣接する地に祀られています。

基本データ

名称近江神宮本殿(おうみじんぐうほんでん)
所在地滋賀県大津市神宮町1-1
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録番号 25-0054
指定年平成10年(1998年)10月9日登録、10月26日告示
員数1棟
寸法三間社流造、檜皮葺、建築面積53平方メートル
所有者近江神宮
公開状況内内院にあり一般の参拝者は立ち入れない。外拝殿の端から屋根を望める。境内の参拝時間は午前6時から午後6時、無料

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「近江神宮本殿」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000832
近江神宮公式サイト「境内図と境内各所のご案内」
https://oumijingu.org/pages/96/
近江神宮公式サイト「近江神宮御創建前史」
https://oumijingu.org/pages/91/
文化遺産オンライン「近江神宮本殿」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/166142

最終更新日: 2026.09.13