神輿と祭器を納める土蔵

大鳥神社神輿蔵は、滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野の大鳥神社で神饌所の北に建つ大正8年(1919年)建築の土蔵で、平成14年(2002年)に国の登録有形文化財に登録された。

土蔵造の平屋で、屋根は寄棟造本瓦葺。正面には桟瓦葺の庇を付け、その下に戸口を2か所開いている。建築面積は40平方メートルで、大鳥神社の登録7棟のうち社務所に次ぐ大きさがある。

神社の公式サイトでは「御輿蔵」「神輿庫」の表記も使われている。文化庁の解説によれば、内部には御輿と祭器を収めている。

外は土、内は板

大鳥神社神輿蔵の登録番号は25-0197、登録基準は「造形の規範となっているもの」である。

外まわりは厚い土壁で固めた土蔵だが、内部は壁も床も板張りで、天井は竿縁天井とする。土の蔵の内側を、木の箱のように仕上げた造りである。

文化庁の解説は、丁寧な仕事による堅牢な造りと評し、特徴として二つの点を挙げる。ひとつは出の大きな軒蛇腹。軒下の壁を段々に塗り重ねて張り出させた部分で、雨から壁を守る働きも兼ねる。もうひとつは換気用の丸い小窓である。

屋根の葺き分けにも注意したい。本体は丸瓦と平瓦を組み合わせる本瓦葺、正面の庇は一枚で波形をなす桟瓦葺と、同じ建物で二種類の瓦を使っている。

祭礼の道具が出入りする戸口

大鳥神社神輿蔵は、毎年7月の例祭「大原祇園」の道具を守る建物でもある。公式サイトによれば、この祭礼の始まりは、神輿渡御に用いる千枚張に記された応永22年(1415年)にさかのぼるとされる。

外観で見ておきたいのは、軒下の軒蛇腹の厚みと、壁に開いた丸い小窓だ。壁面のなかで丸窓は小さな点にすぎないが、正面から斜めに回り込むと位置がつかみやすい。

正面の庇の下に並ぶ2か所の戸口は、神輿を出し入れする動線を示している。神饌所と並んで建つので、両者の屋根の違いを見比べるのも面白い。

大鳥神社神輿蔵の見学

大鳥神社神輿蔵は神饌所の北にあり、外観は境内から見学できる。収蔵庫という性格上、中を見せる機会についての告知は公式サイトにない。

写真撮影に関する決まりも掲載されていない。例祭の前後は神輿の出し入れがあるので、戸口のまわりは空けておきたい。最寄り駅からの経路などは、大鳥神社のページにまとめた。

よくある質問

Q大鳥神社神輿蔵には何が納められていますか。
A文化庁の解説によると、御輿と祭器が収められています。内部は壁・床とも板張りで、竿縁天井を張っています。
Q大鳥神社神輿蔵の外観の特徴は何ですか。
A出の大きな軒蛇腹と、換気用の丸い小窓です。本体は寄棟造の本瓦葺、正面の庇は桟瓦葺です。
Q大鳥神社神輿蔵の大きさはどれくらいですか。
A土蔵造の平屋で、建築面積は40平方メートルです。正面に戸口が2か所あります。
Q大鳥神社神輿蔵はいつ登録有形文化財になりましたか。
A登録番号25-0197として、平成14年(2002年)6月25日に登録されています。建築年は大正8年(1919年)です。
Q大鳥神社神輿蔵の中は見学できますか。
A内部公開の案内はありません。外観は神饌所の北側で、境内から見られます。

基本データ

名称大鳥神社神輿蔵(おおとりじんじゃみこしぐら)
所在地滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野782
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録番号 25-0197
指定年平成14年(2002年)6月25日登録、7月16日告示
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、寄棟造、本瓦葺(正面庇は桟瓦葺)、建築面積40平方メートル
所有者宗教法人大鳥神社
公開状況外観は境内から見学できる。内部公開の案内はない

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「大鳥神社神輿蔵」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002779
文化遺産オンライン「大鳥神社神輿蔵」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/193779
大鳥神社公式サイト「由緒」
https://www.ootorijinjya.jp/html/000.html
大鳥神社公式サイト「神社概要」
https://www.ootorijinjya.jp/html/003.html

最終更新日: 2026.09.16