式台を構えた入母屋の社務所

大鳥神社社務所は、滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野の大鳥神社で社殿の南西に建つ大正8年(1919年)建築の社務所で、平成14年(2002年)に国の登録有形文化財に登録された。

木造平屋建で、屋根は入母屋造桟瓦葺。建築面積は177平方メートルあり、大鳥神社の登録7棟のなかでとびぬけて大きい。建物は東を向いて建ち、正面の中央に向唐破風造の式台を張り出している。

社務所は神社の事務や来客の応対にあたる建物で、神社の公式サイトでも問い合わせ先は「大鳥神社社務所」となっている。公式サイトによれば、先代の社務所は大正の火災で焼けた。

2列6室の書院座敷

大鳥神社社務所の登録番号は25-0199で、7棟の連番の最後にあたる。登録基準は「造形の規範となっているもの」。

内部は6つの部屋を2列に並べ、南端に土間を設ける。部屋のまわりには内法長押と天井長押を巡らせ、柱の上下に水平の線を二本通している。

いちばん格の高い主座敷には、床(床の間)、棚、付書院がそろう。部屋の境には端正な彫刻欄間が入る。社殿が檜皮や銅板で葺かれた神事の建物であるのに対し、社務所は住宅の座敷の作法でまとめられている。

文化庁の解説は、この建物を簡明で洗練された意匠と評している。装飾は式台と欄間に絞られ、ほかは長押の水平線で整えられている。

東側から式台の唐破風を見る

大鳥神社社務所は東を向いているので、正面の式台は境内の側から見ることになる。向唐破風の曲線が入母屋の大屋根の中央に重なり、横に長い建物の中心をはっきり示している。

建物の長さを実感するには、正面から少し離れて全体を収めるとよい。平屋で177平方メートルという広さは、社殿の7棟を見たあとだと際立って感じられる。

主座敷の床や付書院、彫刻欄間は室内にあるため、外からは見えない。

大鳥神社社務所の見学

大鳥神社社務所は現役の社務所で、外観は境内から見学できる。座敷の公開についての案内は、神社の公式サイトに見当たらない。

祈祷や神社への問い合わせは、大鳥神社社務所(電話0748-88-2008)が窓口になっている。業務中の建物なので、式台に上がったり建物の周囲をのぞき込んだりするのは控えたい。撮影の可否も公式サイトには記載がない。鉄道や車での行き方は、大鳥神社のページで扱っている。

よくある質問

Q大鳥神社社務所はどのような建物ですか。
A社殿の南西に東向きに建つ木造平屋建の社務所です。入母屋造の桟瓦葺で、正面中央に向唐破風造の式台を付けています。
Q大鳥神社社務所の内部はどうなっていますか。
A6つの部屋を2列に並べ、南端に土間があります。主座敷には床・棚・付書院を備え、端正な彫刻欄間が入っています。
Q大鳥神社社務所は境内でいちばん大きな登録建物ですか。
Aはい。登録7棟のなかでは最大で、建築面積は177平方メートルあります。
Q大鳥神社社務所の登録番号と登録日を教えてください。
A登録番号は25-0199、登録日は平成14年(2002年)6月25日です。7棟の連番の最後にあたり、建築は大正8年(1919年)です。
Q大鳥神社社務所の中は見学できますか。
A座敷の公開についての案内はありません。外観は境内から見られます。問い合わせは社務所(電話0748-88-2008)へ。

基本データ

名称大鳥神社社務所(おおとりじんじゃしゃむしょ)
所在地滋賀県甲賀市甲賀町鳥居野782
指定区分登録有形文化財(建造物)/登録番号 25-0199
指定年平成14年(2002年)6月25日登録、7月16日告示
員数1棟
寸法木造平屋建、入母屋造、桟瓦葺、正面中央に向唐破風造の式台付、建築面積177平方メートル
所有者宗教法人大鳥神社
公開状況現役の社務所。外観は境内から見学できる。座敷の公開は案内されていない

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)「大鳥神社社務所」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002781
文化遺産オンライン「大鳥神社社務所」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140051
大鳥神社公式サイト「由緒」
https://www.ootorijinjya.jp/html/000.html
大鳥神社公式サイト「お問い合わせ」
https://www.ootorijinjya.jp/html/008.html

最終更新日: 2026.09.16