山下家住宅長屋とは

山下家住宅長屋は、島根県江津市松川町畑田にある江戸末期(1830〜1867年)建築の木造2階建の付属屋で、平成22年(2010年)1月15日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「やましたけじゅうたくながや」。建築面積は84平方メートルある。

山下家住宅長屋は主屋の西南に建ち、棟を南北に通している。1階の南の部屋は使用人の部屋、中央の部屋は馬小屋として使われた。家族が暮らす主屋とは別に、働き手と家畜のための場所を一つの棟にまとめた建物である。

途中で幅の変わる細長い平面

山下家住宅長屋は桁行15メートル、梁間5.9メートルの細長い建物である。ただし北側の3.9メートルの部分だけは梁間を4.9メートルに狭めており、平面は北端で幅がひとまわり狭くなる。

屋根は切妻造で、石州瓦の赤瓦を葺く。壁は柱を外に見せる真壁造で、柱と柱の間に壁を納めている。軒まで塗り込めた門蔵の白壁とは対照的に、木組みがそのまま外観の意匠になっている。

上下3室ずつの部屋割りと馬小屋

山下家住宅長屋の内部は、1階・2階とも3つの部屋に分かれている。1階では南の部屋が使用人部屋、中央が馬小屋として使われた。人と馬が同じ棟の中で壁一枚を隔てて過ごしていたことになる。

山あいの農家にとって、馬は田畑を耕し荷を運ぶための欠かせない働き手だった。その馬の居場所を、住み込みの使用人の部屋と並べて長屋に置いたのは、世話の手間を考えれば筋の通った配置である。2階の3室がどう使われたかについて、文化庁の解説は触れていない。

山下家住宅長屋が登録された理由

山下家住宅長屋は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録有形文化財となった。文化庁の解説は、山下家住宅長屋を屋敷構えを形づくる要素の一つと位置づけている。

明治16年(1883年)の主屋より古い江戸末期の建物であり、主屋の西南という位置は、東南隅の門蔵と左右で釣り合う。主屋を中心に、前方の左右を長屋と門蔵が固める構えは、農家が生産と暮らしを一つの敷地の中で営んでいたことを、建物の配置そのもので示している。

山下家住宅長屋の見学

山下家住宅長屋は個人の住宅の敷地内にあり、公開についての公式な案内は確認できなかった。主屋の西南という位置から、通りの側から屋根や妻の一部が見える可能性はあるが、見え方は立つ場所による。

真壁の壁面や北端で幅が変わる平面は、敷地の中に入らなければ近くでは確かめにくい。敷地には立ち入らず、住人の暮らしに配慮して通りから眺めるにとどめたい。屋敷への行き方は山下家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q山下家住宅長屋はいつ建てられましたか?
A江戸末期(1830〜1867年)の建築です。明治16年(1883年)の主屋より古い建物です。
Q山下家住宅長屋は何に使われていましたか?
A1階の南の部屋が使用人部屋、中央の部屋が馬小屋として使われました。
Q山下家住宅長屋の大きさはどのくらいですか?
A桁行15メートル、梁間5.9メートルで、北側の3.9メートル分は梁間4.9メートルに狭まっています。建築面積は84平方メートルです。
Q山下家住宅長屋の外観の特徴は何ですか?
A切妻造の石州瓦葺で、柱を見せる真壁造です。白漆喰で塗り込めた蔵とは異なり、木組みが外に表れています。
Q山下家住宅長屋は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあり、公開の公式な案内は確認できませんでした。敷地に入らず、通りから外観を見る形になります。

基本情報

名称山下家住宅長屋(やましたけじゅうたくながや)
所在地島根県江津市松川町畑田598
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成22年(2010年)登録
員数1棟
寸法桁行15m・梁間5.9m(北側3.9m分は梁間4.9m)、建築面積84㎡(木造2階建、瓦葺)
所有者非公表
公開状況公開情報なし(個人住宅の敷地内)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)山下家住宅長屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008063
文化遺産オンライン 山下家住宅長屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140784
島根県 登録有形文化財(建造物)一覧
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html

最終更新日: 2026.09.29