山下家住宅石垣とは

山下家住宅石垣は、島根県江津市松川町畑田にある江戸後期(1751〜1829年)に築かれた屋敷の石垣で、平成22年(2010年)1月15日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「やましたけじゅうたくいしがき」。延長は45メートルあり、員数は1基と数えられている。

山下家住宅は斜面を造成した敷地に建っており、山下家住宅石垣はその前面、通りに面した側を支えている。山下家住宅の8件のなかでは年代の上限が最も古く、明治の主屋や昭和の離れが建つ以前から、この屋敷地の輪郭をつくってきた構築物である。

石段の左右と通り沿いに延びる45メートル

通りから主屋の正面へは石段が上っている。山下家住宅石垣はこの石段の左右と、通りに沿った部分に築かれ、延長は合わせて45メートルになる。最も高いところでは3.8メートルに達する。

3.8メートルといえば、建物の1階分を優に超える高さである。通りを歩く人は、この石垣を見上げる位置から屋敷に向き合うことになり、主屋はその上の段に据えられている。石段を上ることがそのまま屋敷に入ることであり、石垣は外と内を分ける高低差をつくっている。

割石の乱積と算木積風の隅

山下家住宅石垣は、割った石を形をそろえずに積み上げる乱積で築かれている。石の大きさも形もまちまちで、それぞれの石が隣の石と噛み合うように積まれている。

角の部分は算木積風に仕上げている。算木積は、細長い石の長い辺と短い辺を段ごとに交互に振り分けて積む方法で、崩れやすい角を強くするために城の石垣などで用いられてきた。文化庁の解説が「算木積風」と書くとおり、山下家住宅石垣の角は城郭の本格的な算木積そのものではなく、その組み方に倣ったものである。面は乱積、角は算木積風と、場所によって積み方を変えている点を見分けると、石工が角の強さに気を配ったことが分かる。

山下家住宅石垣が登録された理由

山下家住宅石垣は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録有形文化財となった。文化庁の解説は、この石垣が屋敷の正面に独特の重厚さを与えていると評している。

山下家住宅を通りから見たとき、最初に目に入るのは建物ではなくこの石垣である。石の壁の上に赤瓦の主屋や蔵が並ぶ姿は、山あいの斜面に営まれた屋敷に特有の景観であり、その土台を山下家住宅石垣が受け持っている。

山下家住宅石垣の見学

山下家住宅石垣は個人の住宅の敷地の一部だが、通りに沿って築かれているため、8件のなかでは最も外から見やすい。内部の公開についての公式な案内は確認できなかったので、通りから眺める形になる。

石段の下に立つと、左右に分かれて延びる石垣と、最も高い3.8メートルの部分の量感がつかみやすい。角の算木積風の組み方も見どころである。石段を上ったり、石垣に登ったりはしないこと。撮影する場合は、住人や車両を写し込まないよう配慮したい。屋敷への行き方は山下家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q山下家住宅石垣はいつ築かれましたか?
A江戸後期(1751〜1829年)とされています。山下家住宅の8件のなかで、年代の上限が最も古いものです。
Q山下家住宅石垣の大きさはどのくらいですか?
A石段の左右と通り沿いをあわせた延長が45メートルで、最も高いところは3.8メートルあります。
Q山下家住宅石垣はどのように積まれていますか?
A割石を乱積とし、角は算木積風に組んでいます。
Q山下家住宅石垣はどこから見られますか?
A通りに面しているので、通りから見ることができます。主屋へ上る石段の下に立つと、左右に延びる石垣の全体がつかみやすくなります。
Q山下家住宅石垣が登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成22年(2010年)1月15日に、屋敷のほかの7件とともに登録されました。登録番号は32-0116です。

基本情報

名称山下家住宅石垣(やましたけじゅうたくいしがき)
所在地島根県江津市松川町畑田598
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成22年(2010年)登録
員数1基
寸法延長45m、最高部の高さ3.8m(石造)
所有者非公表
公開状況通りから外観を見学可(個人住宅の敷地の一部)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)山下家住宅石垣
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008066
文化遺産オンライン 山下家住宅石垣
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/140987
島根県 登録有形文化財(建造物)一覧
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html

最終更新日: 2026.09.29