山下家住宅門蔵とは

山下家住宅門蔵は、島根県江津市松川町畑田にある天保12年(1841年)建築の土蔵造2階建の蔵で、平成22年(2010年)1月15日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「やましたけじゅうたくもんぐら」。建築面積は25平方メートルである。

山下家住宅の8件のうち、建築年が年号まで分かっている建物では山下家住宅門蔵が最も古い。明治16年(1883年)の主屋より42年早く、江戸時代の後半から屋敷の東南の角を守ってきた蔵である。

軒まで塗り込めた白壁

山下家住宅門蔵は桁行6.1メートル、梁間4.1メートルの土蔵造で、棟を南北に通す。屋根は切妻造で、石州瓦の赤瓦を葺いている。

壁は白い漆喰仕上げで、垂木や軒裏の木部まで漆喰で覆う塗り込めにしている。木を外に見せないこの仕上げは、火に強い蔵をつくるための工夫で、軒先まで白一色の輪郭になる。壁の下の方、腰の部分には板を張り、継ぎ目に細い目板を打った目板張としている。

出入口は西の面にあり、片引きの戸を立てる。南の面には窓を開けている。山下家住宅背戸蔵が東面の足元を海鼠壁で飾っているのに対し、山下家住宅門蔵は板張りの腰で、飾り気の少ない実直な外観である。

屋敷の角に立つ蔵の役割

山下家住宅門蔵は主屋の東南、敷地の東南隅に位置する。文化庁の解説は、この位置によって屋敷の景観が整えられていると述べている。

斜面を造成した山下家住宅の敷地では、通りに面した前面を石垣が固め、その上に建物が並ぶ。東南の角に白壁の蔵が立つことで、屋敷の輪郭の一方の端がはっきり区切られる。西南に建つ長屋と対になって、主屋の前を両側から挟む配置になっている点も見ておきたい。

名前にある「門」は、門の近くに置かれた蔵、あるいは門の役を兼ねた蔵を指す呼び名として各地に例がある。ただし、山下家住宅門蔵が屋敷の出入口とどう関わっていたかは、公開された資料からは確かめられない。

山下家住宅門蔵が登録された理由

山下家住宅門蔵は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録有形文化財となった。江戸時代後期の土蔵が、明治・昭和の建物と並んで一つの屋敷の中に残り、敷地の角を占め続けていることが、その景観上の価値を支えている。

山下家住宅門蔵の見学

山下家住宅門蔵は個人の住宅の敷地内にあり、内部の公開についての公式な案内は確認できなかった。敷地の東南の角という位置から、通りの側からでも白壁と赤瓦の外観をとらえやすい建物と考えられるが、見え方は立つ場所によって変わる。

敷地には入らず、通りから眺めるにとどめたい。撮影する場合は、住人や車両、生活の様子を写し込まないよう配慮してほしい。屋敷への行き方は山下家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q山下家住宅門蔵はいつ建てられましたか?
A天保12年(1841年)の建築です。山下家住宅のうち、建築年まで分かっている建物では最も古いものです。
Q山下家住宅門蔵はどこに建っていますか?
A主屋の東南、敷地の東南隅にあり、棟を南北に向けています。
Q山下家住宅門蔵の壁はどのように仕上げられていますか?
A白漆喰で軒まで塗り込め、腰の部分は板に目板を打った目板張です。
Q山下家住宅門蔵と背戸蔵はどう違いますか?
A門蔵は天保12年(1841年)、背戸蔵は明治31年(1898年)の建築です。門蔵は腰を目板張とし、背戸蔵は東面の足元を海鼠壁で飾っています。
Q山下家住宅門蔵は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあり、公開の公式な案内は確認できませんでした。敷地に入らず、通りから外観を見る形になります。

基本情報

名称山下家住宅門蔵(やましたけじゅうたくもんぐら)
所在地島根県江津市松川町畑田598
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成22年(2010年)登録
員数1棟
寸法桁行6.1m・梁間4.1m、建築面積25㎡(土蔵造2階建、瓦葺)
所有者非公表
公開状況公開情報なし(個人住宅の敷地内。外観は通りから)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)山下家住宅門蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008062
文化遺産オンライン 山下家住宅門蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/207813
島根県 登録有形文化財(建造物)一覧
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html

最終更新日: 2026.09.29