山下家住宅離れとは
山下家住宅離れは、島根県江津市松川町畑田にある昭和4年(1929年)建築の木造2階建の離れ座敷で、平成22年(2010年)1月15日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「やましたけじゅうたくはなれ」。建築面積は109平方メートルある。
山下家住宅離れは主屋の東に接して建ち、棟を東西に通している。明治16年(1883年)の主屋から46年後の建物で、山下家住宅の8件のなかでは井戸小屋や門及び築地塀とともに、昭和に入ってからの新しい層に属する。
屋根の組み合わせ
山下家住宅離れの屋根は、本体を切妻造とし、東の面には片流れの屋根、南と北の面には下屋の庇を掛けている。葺き材は主屋と同じ石州瓦の赤瓦である。
東に片流れ、南北に庇という付け方は、切妻の本体の三方に低い屋根を回した形になり、2階建ての本体を軒の低い屋根が取り巻く。主屋の大屋根と並ぶと、山下家住宅離れの屋根はひとまわり小さく、軒の線がこまやかに重なって見える。
上下2層の書院座敷
山下家住宅離れの内部は、1階と2階の両方に座敷を続き間として設けている。客を迎える座敷を上下2層にわたって用意した点に、昭和初期の山下家がこの建物に込めた役割が表れている。
座敷には床の間と違棚を構え、付書院を添える。文化庁の解説は、付書院の意匠を繊細なものと評し、山下家住宅離れを質の高い書院座敷と位置づけている。床・棚・書院の三つがそろうのは、座敷を格式ある接客の場として整えた証しである。
1階には座敷のほかに、書斎や書庫、浴室が付いている。本を置く部屋と書き物をする部屋を座敷と同じ棟にまとめた構成は、農作業の場である主屋とは別に、読書や趣味の時間を過ごすための空間を求めたことを思わせる。
山下家住宅離れの価値
山下家住宅離れは、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録有形文化財となった。主屋が明治の農家としての暮らしと作業を受け持つ建物だとすれば、山下家住宅離れは、その家が昭和の初めに接客と教養の場を別棟として整えた姿を示している。
離れの南には庭園が広がり、昭和前期の築地塀と門がこれを囲む。座敷から庭を眺める配置になっていることも、山下家住宅離れが屋敷の中でもてなしの役を担っていたことをうかがわせる。
山下家住宅離れの見学
山下家住宅離れは個人の住宅の一部で、内部の座敷を公開するという公式な案内は確認できなかった。床の間や付書院は室内の設えなので、外からは見ることができない。
山下家住宅離れは主屋の東にあり、南側は築地塀で囲まれた庭になっている。通りから見えるのは屋根の一部にとどまると考えておきたい。撮影する場合は住人の暮らしに配慮し、塀の内側をのぞき込まないようにしたい。屋敷への行き方は山下家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 山下家住宅離れはいつ建てられましたか?
- 昭和4年(1929年)の建築です。明治16年(1883年)の主屋より46年新しく、主屋の東に接して建てられています。
- 山下家住宅離れの座敷にはどんな設えがありますか?
- 1階と2階の両方に続き間の座敷があり、床の間、違棚、付書院を構えています。文化庁は付書院の意匠を繊細なものと評しています。
- 山下家住宅離れには座敷のほかに何がありますか?
- 1階に書斎、書庫、浴室が付いています。
- 山下家住宅離れの内部は見学できますか?
- 個人の住宅で、内部公開の公式な案内は確認できませんでした。座敷の設えは外からは見られません。
- 山下家住宅離れが登録有形文化財になったのはいつですか?
- 平成22年(2010年)1月15日に、屋敷のほかの7件とともに登録されました。登録番号は32-0110です。
基本情報
| 名称 | 山下家住宅離れ(やましたけじゅうたくはなれ) |
|---|---|
| 所在地 | 島根県江津市松川町畑田598 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成22年(2010年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積109㎡(木造2階建、瓦葺) |
| 所有者 | 非公表 |
| 公開状況 | 公開情報なし(個人住宅。内部非公開) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)山下家住宅離れ
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008060
- 文化遺産オンライン 山下家住宅離れ
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/165171
- 島根県 登録有形文化財(建造物)一覧
- https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html
最終更新日: 2026.09.29