国立天文台第一赤道儀室とは
国立天文台第一赤道儀室は、東京都三鷹市大沢にある大正10年(1921年)建設の観測用建物で、平成14年(2002年)に国の登録有形文化財となった。三鷹キャンパスに現存する観測用建物のなかで最も古い。
設計は東京帝国大学営繕課、施工は西浦長大夫。鉄筋コンクリート造2階建、建築面積50平方メートルの円筒形の躯体に、鉄骨造のドームが載る。ドームの直径は5.6メートルで、国立天文台の公開資料では直径6メートル、高さ7.8メートルと記されている。
ドームの下に据わるのは口径20センチメートル、焦点距離359センチメートルのツァイス製屈折望遠鏡である。架台は重錘時計駆動赤道儀で、錘が落ちる力で望遠鏡を動かし、天体を追いかける。
登録の理由と価値
登録基準は「再現することが容易でないもの」、登録番号は13-0126で、平成14年(2002年)2月14日に登録有形文化財となった。大赤道儀室と同じ日の登録である。
この建物が再現しにくいとされるのは、望遠鏡と建物が一体で設計されているためである。手動で屋根を開け、ドームごと回して観測する。機能を先に決め、そこから形が出てきた建物であり、後から似た外形をつくっても中身は復元できない。
望遠鏡の履歴も価値の一部を成している。国立天文台第一赤道儀室の20センチメートル屈折望遠鏡は、昭和13年(1938年)から60年余りにわたって太陽黒点のスケッチ観測に使われ、平成10年(1998年)に研究観測を終えた。
見どころ
外観は左右対称で、円筒形の躯体の両側に張り出し通路が付く。装飾はほとんどなく、必要な形だけが残っている。国立天文台第一赤道儀室の素っ気なさは、設計の古さではなく用途の素直さから来ている。
内部に入れば、ドームの開閉と回転がすべて人力であることが分かる。係員がハンドルを回すと、頭上のスリットが動く。電動化される前の観測の身ぶりがそのまま残っている。
望遠鏡の下部には重錘駆動の機構がある。ぜんまい時計と同じ理屈で、錘の落下を歯車で受けて一定速度の回転に変える。天体を追尾するという難題を、電気を使わずに解いた仕掛けである。
晴れた日には係員が望遠鏡を太陽に向け、投影された像で黒点を見せてくれる。60年分の観測が積み上げられた道具で、いま自分が同じ太陽を見ることになる。
見学のしかた
国立天文台第一赤道儀室は内部まで公開されている。見学コース上にあり、公開時間中は自由に入れる。音声ガイドと手話ガイドが用意されている。
晴天時には太陽観察会が開かれ、係員が20センチメートル屈折望遠鏡を操作して太陽黒点を見せる。申し込みは不要で無料だが、熱中症予防のため6月から9月は休止する。工事などで見学を中止する日もある。
撮影は私的利用に限り自由。構内共通の公開時間・受付・アクセスは、国立天文台三鷹キャンパスのページにまとめてある。
よくある質問
- 国立天文台第一赤道儀室の内部は見学できますか?
- できます。見学コース上にあり、公開時間中は自由に入れます。音声ガイドと手話ガイドも用意されています。
- 国立天文台第一赤道儀室の望遠鏡はどんなものですか?
- 口径20センチメートル、焦点距離359センチメートルのツァイス製屈折望遠鏡で、架台は重錘時計駆動赤道儀です。
- 国立天文台第一赤道儀室で太陽は見られますか?
- 晴れた日には太陽観察会が開かれ、黒点を観察できます。申し込み不要・無料ですが、6月から9月は休止します。
- 国立天文台第一赤道儀室はいつ建てられましたか?
- 大正10年(1921年)の建設で、三鷹キャンパスに残る観測用建物では最も古い1棟です。平成14年(2002年)に登録有形文化財となりました。
- 国立天文台第一赤道儀室のドームはどのくらいの大きさですか?
- 文化庁のデータベースでは直径5.6メートルの鉄骨造ドームとされ、国立天文台の公開資料では直径6メートル、高さ7.8メートルと記されています。
基本データ
| 名称 | 国立天文台第一赤道儀室 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都三鷹市大沢2-21-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成14年(2002年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 鉄筋コンクリート造2階建、建築面積50平方メートル、ドーム直径5.6メートル |
| 所有者 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 |
| 公開状況 | 内部公開(公開時間中は自由見学) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 国立天文台第一赤道儀室
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002621
- 国立天文台 第一赤道儀室
- https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit-facilities/20cm-telescope-dome.html
- 国立天文台 三鷹キャンパス 見学のご案内
- https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit.html
最終更新日: 2026.09.13