国立天文台レプソルド子午儀室とは

国立天文台レプソルド子午儀室は、東京都三鷹市大沢にある大正14年(1925年)建設の観測用建物で、平成26年(2014年)に国の登録有形文化財となった。鉄筋コンクリート造平屋建、鉄板葺、建築面積36平方メートルの小さな建物である。

子午儀は、子午線上を通過する天体を観測して、その土地の経度や時刻を決めるための望遠鏡である。南北方向にだけ正確に回るよう作られており、それを収める建物も南北の軸に合わせて据えられる。

収められたレプソルド子午儀は1880年(明治13年)にドイツのレプソルド社で製作されたもので、有効口径135ミリメートル、焦点距離2120ミリメートル。麻布時代には時刻の決定と経度測量に使われ、この子午儀が置かれた地点は天文経度の原点の一つとされる。現在この建物は子午儀資料館として公開されている。

登録の理由と価値

登録基準は「再現することが容易でないもの」で、登録番号は13-0330である。

屋根が動くことが、この建物を再現しにくくしている。鉄骨造の小屋組はレールの上に据えられ、観測のときは切妻屋根が中央から左右に開いて子午儀の上方を空ける。屋根は雨風をしのぐと同時に、観測のたびに退く可動部でもある。

この子午儀による観測は日本の天文学の基礎資料を生んだ。麻布時代に求められた時刻をもとに旧江戸城天守閣跡地で正午の号砲が撃たれ、三鷹へ移ってからは昭和10年(1935年)以降、月や惑星、恒星の赤経決定に使われた。昭和24年(1949年)の「三鷹黄道帯星表」と昭和37年(1962年)の「三鷹赤道帯星表」は、その成果である。

見どころ

外観で注目したいのは、柱の頭部と入口の庇に入る直線の模様である。20世紀初頭のヨーロッパで流行したセセッションの意匠で、小さな建物のなかで唯一の装飾になっている。

屋根の合わせ目を確かめてほしい。棟のところで左右に分かれる線が見える。ここが開く。

内部には多数の子午儀が並ぶ。国立天文台レプソルド子午儀室は、いまや1台の望遠鏡の家というより、子午儀という道具の系譜を並べた資料館になっている。

レプソルド子午儀そのものは、1881年(明治14年)に当時の価格15,200マルクで購入された。130年以上前の金属の質感を近くで見られる。

見学のしかた

国立天文台レプソルド子午儀室は子午儀資料館として内部が公開されており、公開時間中は自由に見学できる。音声ガイドが用意されている。

小さな建物なので、混み合う時間帯は入れ替わりに見ることになる。展示は子午儀が中心で、説明を読みながら回ると15分ほどかかる。

撮影は私的利用に限り自由。公開時間、受付、バスでの行き方は構内で共通なので、国立天文台三鷹キャンパスのページを参照してほしい。

よくある質問

Q国立天文台レプソルド子午儀室の内部は見学できますか?
Aできます。子午儀資料館として公開されており、公開時間中は自由に入れます。音声ガイドもあります。
Q国立天文台レプソルド子午儀室の子午儀はどこ製ですか?
A1880年(明治13年)にドイツのレプソルド社で製作されたもので、有効口径135ミリメートル、焦点距離2120ミリメートルです。
Q国立天文台レプソルド子午儀室の屋根は開くのですか?
A観測時には鉄骨造の切妻屋根が中央から開き、子午儀の上方が開放されます。小屋組はレール上に据えられています。
Q国立天文台レプソルド子午儀室はいつ建てられましたか?
A大正14年(1925年)の建設で、平成26年(2014年)に登録有形文化財となりました。
Q国立天文台レプソルド子午儀室の子午儀は何を観測したのですか?
A麻布時代は時刻の決定と経度測量に、三鷹移転後は月・惑星・恒星の赤経決定に使われ、「三鷹黄道帯星表」などの星表を生みました。

基本データ

名称国立天文台レプソルド子午儀室
所在地東京都三鷹市大沢2-1007-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造平屋建、鉄板葺、建築面積36平方メートル
所有者大学共同利用機関法人自然科学研究機構
公開状況内部公開(子午儀資料館として公開時間中は自由見学)

参考文献

国指定文化財等データベース 国立天文台レプソルド子午儀室
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009915
国立天文台 子午儀資料館
https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit-facilities/repsold-transit-instrument.html
国立天文台 三鷹キャンパス 見学のご案内
https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit.html

最終更新日: 2026.09.13