国立天文台第一子午線標室とは

国立天文台第一子午線標室は、東京都三鷹市大沢のゴーチェ子午環室から南へ約100メートルの位置に建つ大正14年(1925年)建設の建物で、平成26年(2014年)に国の登録有形文化財となった。鉄筋コンクリート造2階建、建築面積は7.3平方メートルしかない。

納められているのは子午線標である。子午環で天体の位置を測るには、望遠鏡が本当に南北を向いているかを確かめる基準が要る。その基準となる目標を、子午環から一定の距離に置いたのがこの建物である。

つまり国立天文台第一子午線標室は、人が使う部屋ではなく、目標物を正しい位置に保つための容れ物である。10件のなかで最も小さい部類に入るのはそのためで、面積は大赤道儀室の30分の1にも満たない。

登録の理由と価値

登録基準は「再現することが容易でないもの」で、登録番号は13-0332である。

評価の中心は、位置そのものにある。子午環室の南100メートルという距離と方位が意味を持つのであって、同じ建物を別の場所に建てても子午線標室にはならない。国立天文台第一子午線標室は、子午環の南北軸の精度を担保する役目を負っている。

北面は三角形の土留擁壁とし、背面には土を盛る。子午線標は2階に納められ、擁壁の前面に取り付く階段から出入りする。7.3平方メートルの構造物に、これだけの仕掛けが詰め込まれている。

見どころ

小ささが第一の見どころである。人が住むことも作業することも想定していない建物が、鉄筋コンクリートで2階建に組まれている。

北面の擁壁は三角形をしており、そこに背後の土盛が受け止められる。建物と地面の境目が普通の建築とは違う扱いになっている。

南北の対をなす第二子午線標室と同型で、子午環室を挟んで対称に配置されている。片方だけを見ても、100メートル先にもう一つ同じものがあると分かれば、この構造物が単体ではなく装置の一部だということが飲み込める。

見学のしかた

国立天文台第一子午線標室は公開施設に含まれず、見学コースから外れている。内部の公開もない。

国立天文台三鷹キャンパスでは見学コース以外の場所や建物、草むらへの立ち入りが禁じられている。蚊やハチ、ヘビへの注意も呼びかけられているため、コースを外れて近づくことはできない。

見学コースの西寄りからゴーチェ子午環室の方向を眺め、その南北にこの構造物が置かれていることを頭に入れておくと、構内の配置が立体的につかめる。公開時間や受付の方法は、国立天文台三鷹キャンパスのページにまとめてある。

よくある質問

Q国立天文台第一子午線標室は何のための建物ですか?
A子午環の規準点となる子午線標を納めるための構造物です。子午環の南北軸の精度を確かめる役目を負っています。
Q国立天文台第一子午線標室は見学できますか?
A公開施設に含まれず、見学コースから外れています。内部の公開もありません。
Q国立天文台第一子午線標室はどこにありますか?
A国立天文台三鷹キャンパスのゴーチェ子午環室から南へ約100メートルの位置です。
Q国立天文台第一子午線標室の大きさはどのくらいですか?
A建築面積7.3平方メートルの鉄筋コンクリート造2階建で、登録有形文化財10件のなかで最も小さい部類です。
Q国立天文台第一子午線標室はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成26年(2014年)4月25日の登録で、登録番号は13-0332です。

基本データ

名称国立天文台第一子午線標室
所在地東京都三鷹市大沢2-1007-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成26年(2014年)登録
員数1棟
寸法鉄筋コンクリート造2階建、建築面積7.3平方メートル
所有者大学共同利用機関法人自然科学研究機構
公開状況非公開(見学コース外)

参考文献

国指定文化財等データベース 国立天文台第一子午線標室
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009917
国立天文台 三鷹キャンパス 公開施設
https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit-facilities/
国立天文台 三鷹キャンパス 見学のご案内
https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit.html

最終更新日: 2026.09.13