国立天文台旧図庫及び倉庫とは
国立天文台旧図庫及び倉庫は、東京都三鷹市大沢の三鷹キャンパス中ほどに建つ昭和5年(1930年)建設の鉄筋コンクリート造2階建で、平成26年(2014年)に国の登録有形文化財となった。建築面積は100平方メートル、屋根は金属板葺である。
名称のとおり、書物と資料をしまうための建物だった。20世紀の終わりまで図書資料を保管し、昭和47年(1972年)に別に図書室が設けられてからは書庫として、平成12年(2000年)に現在の図書室ができてからは倉庫として使われてきた。
西側には昭和36年(1961年)にモルタル塗の部分が増築されている。文化庁の解説は、この増築が当初から想定されていたものであると記す。国立天文台の資料はこの部分を3階建としている。
登録の理由と価値
登録基準は「造形の規範となっているもの」で、登録番号は13-0334。10件のうちこの基準で登録有形文化財となったのは国立天文台旧図庫及び倉庫だけである。
ほかの9件は「再現することが容易でないもの」か「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で登録されている。観測装置と一体の建物でも門まわりの構えでもなく、この建物は昭和初期の建築としての出来ばえそのものが評価された。
外観は簡素で、装飾らしい装飾はない。そのぶん、窓の割り付け、庇の付け方、タイルの貼り方といった扱いに設計の判断が現れる。
見どころ
壁面はスクラッチタイルで仕上げられている。太陽分光写真儀室と同じ材料で、昭和初期の官公庁建築で好まれた表情である。
窓の上下には水平に連続する小庇が回る。ひとつながりの線が壁を横切ることで、2階建の小さな建物に横長の落ち着きが出ている。
1階に丸窓が開いているのを見落とさないでほしい。角ばった開口が並ぶなかで、この円形だけが異物のように置かれている。
西側の増築部は仕上げが違うので、境目がはっきり分かる。国立天文台旧図庫及び倉庫がどこまでが昭和5年の建物なのかを目で追える。
見学のしかた
国立天文台旧図庫及び倉庫は外観のみの見学となる。現在も倉庫として使われており、内部は公開されていない。音声ガイドが用意されている。
見学コースは建物の東側を通る。庇の連なりと丸窓は東面からよく見えるので、正面に立って壁面全体を視野に入れるとよい。
撮影は私的利用に限り自由。公開時間、受付、バスでの行き方は構内共通で、国立天文台三鷹キャンパスのページにまとめてある。
よくある質問
- 国立天文台旧図庫及び倉庫は何に使われていた建物ですか?
- 20世紀末まで図書資料を保管していた建物です。昭和47年(1972年)に図書室が別に設けられてからは書庫、平成12年(2000年)以降は倉庫として使われています。
- 国立天文台旧図庫及び倉庫の内部は見学できますか?
- 内部は公開していません。外観のみの見学となります。
- 国立天文台旧図庫及び倉庫はいつ建てられましたか?
- 昭和5年(1930年)の建設で、昭和36年(1961年)に西側が増築されました。平成26年(2014年)に登録有形文化財となりました。
- 国立天文台旧図庫及び倉庫はどこが評価されて登録されたのですか?
- 登録基準は「造形の規範となっているもの」です。10件のうちこの基準はこの1棟だけで、昭和初期の建築としての出来ばえが評価されました。
- 国立天文台旧図庫及び倉庫の見どころはどこですか?
- スクラッチタイルの壁面、窓の上下に連続する小庇、1階の丸窓、そして仕上げの違いで分かる西側の増築部です。
基本データ
| 名称 | 国立天文台旧図庫及び倉庫 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都三鷹市大沢2-1007-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成26年(2014年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 鉄筋コンクリート造2階建、金属板葺、建築面積100平方メートル |
| 所有者 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構 |
| 公開状況 | 外観のみ見学可(内部非公開) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 国立天文台旧図庫及び倉庫
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00009919
- 国立天文台 旧図書庫
- https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit-facilities/old-library.html
- 国立天文台 三鷹キャンパス 見学のご案内
- https://www.nao.ac.jp/about-naoj/organization/facilities/mitaka/visit.html
最終更新日: 2026.09.13