井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵とは
井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵(いのうえけじゅうたく(きゅういわたけじゅうたく)どぞう)は、和歌山県紀の川市中三谷の農家の屋敷の北西隅に建つ蔵で、江戸末期(1830年から1868年)に建てられ、令和5年(2023年)8月7日に登録有形文化財となった。土蔵造の2階建で、建築面積は24平方メートルである。
井上家住宅(旧岩田家住宅)の4件のうち最も古く、大正5年(1916年)頃の主屋より半世紀以上前にさかのぼる。大正前期に増築され、平成7年(1995年)に改修を受けた。
屋敷の外郭を兼ねる蔵
井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵は、登録番号30-0336、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。
この蔵は屋敷の内側に独立して立つのではなく、敷地の隅に据えられて外周の一部を受け持つ。外壁は白い漆喰で仕上げ、敷地の外に向く面だけ、腰に縦の羽目板を張る。その外壁が土塀とひと続きになり、蔵と塀が一緒になって屋敷の輪郭をかたちづくる。文化庁の解説が「土塀と一連で敷地の外郭をなす」と書くのはこの点である。
置屋根と、妻の柱が支える小屋組
屋根は切妻造の桟瓦葺で、置屋根の形式をとる。土で塗り固めた蔵の本体の上に、別に組んだ屋根を載せる造りで、火災の際には屋根だけが焼け落ちても本体が守られるよう考えられたものとされる。
文化庁が特徴的な造りとして挙げるのが小屋組である。棟木や母屋(もや)といった屋根を受ける横材を、妻面に立てた柱で支えている。
戸口は東面にあり、その前に下屋を差し掛ける。戸口のまわりには鳥居の形をした枠を飾っており、白い壁の中で入口の位置をはっきりと示している。
見学方法
井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵は個人の所有で、内部は公開されていない。東を向く戸口と鳥居枠は敷地の内側にあたり、外から見ることはできない。
敷地の外に面した壁は土塀と連なっているが、蔵のある北西隅は屋敷の南を通る道から離れている。外観は、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された正面全景の写真で確かめられる。現地では私有地に立ち入らないようにしたい。
Q&A
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵はいつ建てられましたか。
- 江戸末期(1830年から1868年)の建築とされます。大正前期に増築され、平成7年(1995年)に改修されました。
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵は屋敷のどこにありますか。
- 敷地の北西隅に東を向いて建ちます。外壁は土塀とつながり、屋敷の外郭の一部になっています。
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵の構造の特徴は何ですか。
- 切妻造桟瓦葺の置屋根で、棟木や母屋を妻面の柱で支える小屋組です。戸口には鳥居枠を飾り、前に下屋を付けています。
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵が登録有形文化財になったのはいつですか。
- 令和5年(2023年)8月7日です。登録番号は30-0336です。
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵は見学できますか。
- 個人所有のため公開されていません。戸口は敷地の内側を向いているので、外からは見えません。
基本データ
| 名称 | 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵(いのうえけじゅうたく(きゅういわたけじゅうたく)どぞう) |
|---|---|
| 所在地 | 和歌山県紀の川市中三谷字西馬場脇195他 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号 30-0336 |
| 指定年 | 令和5年(2023年)8月7日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、建築面積24平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014662
- 文化遺産オンライン 井上家住宅(旧岩田家住宅)土蔵(文化庁)
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/527094
- 井上家住宅(旧岩田家住宅)(わかやまの文化財、和歌山県教育庁文化遺産課)
- https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-1003/
最終更新日: 2026.09.30