井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋とは

井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋(いのうえけじゅうたく(きゅういわたけじゅうたく)おもや)は、和歌山県紀の川市中三谷にある農家の屋敷の中心に建つ住まいで、大正5年(1916年)頃に建てられ、令和5年(2023年)8月7日に登録有形文化財となった。

屋根は入母屋造の桟瓦葺で、棟と平行な側に入口を設ける平入とし、南を正面にする。文化庁の解説は一部二階建とし、データベースの構造欄は木造2階建、建築面積181平方メートルと記す。昭和後期に改修を受けている。

近代和風の農家として評価された理由

井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋は、登録番号30-0335、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁は、質のよい材を用い、落ち着いた意匠でまとめた近代和風の農家建築と評している。

井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋では、日々の暮らしに使う部屋を四間取の型にまとめ、手の込んだ造りを客を迎える座敷に集めている。和歌山県は、この座敷を特徴的で上質な造りと説明する。

田の字の4室と、西へ張り出す座敷

主屋の東寄りは土間で、その西側に4つの部屋を田の字に並べる。文化庁はこれを整形の四間取と呼ぶ。4室の区画に崩れがなく、4つの部屋がほぼそろった形で組まれていることを指す言い方である。

四間取のさらに西には座敷が突き出すように付く。井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋でいちばん見るべきなのは、この座敷の床まわりだ。付書院を備えた床構え、つまり床の間を西の壁に、違棚を置く床脇を北の壁に、と2つの面に分けて配している。

床と床脇は同じ壁面に並べて構えることが多く、それを2面に分けた構成を文化庁は特徴的と評する。和歌山県の解説によれば、この配置は庭への眺めを確保するためのものだという。床と棚を2つの壁に振り分けたぶん、座敷の残る面を庭に向けて開くことができる。

見学方法

井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋は個人の所有で、内部は公開されていない。屋敷は参禅道場としても使われており、主屋での坐禅会は申し込み制の修行の場であって、建物の見学会ではない。

主屋は長屋門の奥、敷地の中央に建つため、通りからは門に遮られて見通しにくい。入母屋の屋根と南正面の姿は、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された正面全景の写真で確かめられる。現地では私有地に立ち入らないようにしたい。

Q&A

Q井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋はいつ建てられましたか。
A大正5年(1916年)頃の建築です。昭和後期に改修されています。
Q井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋の間取りの特徴は何ですか。
A土間の西側に4室を田の字に並べた整形の四間取で、そのさらに西に座敷が突き出します。
Q井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋の座敷はどこが珍しいのですか。
A付書院を備えた床の間を西の壁に、違棚のある床脇を北の壁に分けて配置している点です。和歌山県は、庭への眺めを確保するための配置と説明しています。
Q井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋が登録有形文化財になったのはいつですか。
A令和5年(2023年)8月7日です。登録番号は30-0335で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋の中は見学できますか。
Aできません。個人所有の住まいで、参禅道場としても使われていますが、建物の一般公開は行われていません。

基本データ

名称井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋(いのうえけじゅうたく(きゅういわたけじゅうたく)おもや)
所在地和歌山県紀の川市中三谷字西馬場脇195他
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 30-0335
指定年令和5年(2023年)8月7日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積181平方メートル
所有者個人
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース 井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00014661
文化遺産オンライン 井上家住宅(旧岩田家住宅)主屋(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/594123
井上家住宅(旧岩田家住宅)(わかやまの文化財、和歌山県教育庁文化遺産課)
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-1003/

最終更新日: 2026.09.30