向井家住宅土蔵とは

向井家住宅土蔵(むかいけじゅうたくどぞう)は、和歌山県和歌山市加太の向井家の屋敷に建つ家財蔵で、江戸末期(1830年から1868年)に建てられたと考えられ、令和3年(2021年)2月4日に登録有形文化財となった。土蔵造の平屋建で、建築面積は18平方メートルである。

向井家住宅土蔵は、主屋の北の背後、やや西に寄せて建つ。建築年を示す資料は見つかっていないが、和歌山県は江戸時代末期の建設とみており、万延元年(1860年)に上棟した主屋とほぼ同じ時期の建物と考えられている。県の解説は、比較的背が低く規模の小さい土蔵と説明する。

白漆喰の外壁と妻の細部

向井家住宅土蔵は東西に棟を通した切妻造で、屋根を本瓦葺とする。外壁は白漆喰で塗り固め、腰には縦に羽目板を張る。

見どころは妻側の細部にある。切妻屋根の妻の端、螻羽(けらば)の部分では、屋根を支える母屋(もや)の木口、いわゆる母屋鼻を漆喰で塗り込め、その形を白い壁面に浮き出させている。木を隠しながら構造の位置を見せる、左官の手が入った仕上げである。

戸口の庇と大振りな持送り

向井家住宅土蔵の戸口は南面の中央に1か所だけ開く。県の解説によれば、ここには土戸を構える。戸口の上には瓦葺の庇を差し出し、庇を支える腕木の下に、漆喰で塗り包んだ大振りな持送りを付けている。

18平方メートルという小さな蔵にしては、持送りは目立って大きい。県はこの庇まわりを重厚と表現し、文化庁の解説も漆喰塗の大振りな持送を特徴に挙げる。

文化庁は、向井家住宅土蔵を主屋と並んで西からの景色を添える建物と評価している。登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、登録番号は30-0292である。

見学方法

向井家住宅土蔵は個人の所有で、内部も周囲も公開されていない。主屋の背後に建つため、旧淡島街道からはほとんど見えない。

妻の母屋鼻や戸口の持送りは、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された外観写真で確かめられる。現地では私有地に立ち入らないようにしたい。

Q&A

Q向井家住宅土蔵はいつ建てられましたか。
A建築年は分かっていませんが、江戸時代末期(1830年から1868年)の建設と考えられています。
Q向井家住宅土蔵は何に使われた蔵ですか。
A文化庁の解説では家財蔵とされています。建築面積18平方メートルの小規模な土蔵です。
Q向井家住宅土蔵の見どころは何ですか。
A妻側の螻羽に母屋鼻を漆喰で塗り込めて見せる仕上げと、戸口の庇を支える漆喰塗の大振りな持送りです。
Q向井家住宅土蔵が登録有形文化財になったのはいつですか。
A令和3年(2021年)2月4日です。登録番号は30-0292で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q向井家住宅土蔵は見学できますか。
A個人所有のため公開されていません。主屋の背後に建っているので、街道からもほとんど見えません。

基本データ

名称向井家住宅土蔵(むかいけじゅうたくどぞう)
所在地和歌山県和歌山市加太1394
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 30-0292
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建、瓦葺、建築面積18平方メートル
所有者個人
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース 向井家住宅土蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013622
向井家住宅(わかやまの文化財、和歌山県教育庁文化遺産課)
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-971/

最終更新日: 2026.09.28