向井家住宅主屋とは

向井家住宅主屋(むかいけじゅうたくおもや)は、和歌山県和歌山市加太にある向井家の住まいで、万延元年(1860年)に上棟した木造平屋建の民家であり、令和3年(2021年)2月4日に登録有形文化財となった。建築面積は162平方メートルで、平成12年(2000年)に改修を受けている。

向井家住宅主屋は旧淡島街道に南面し、表門から奥へ引き込んだ敷地の中央に建つ。屋根は入母屋造の本瓦葺で、建物の周りに回した下屋まで本瓦で葺いている。和歌山県の解説によれば、大屋根には煙出しが載る。

棟札が記す建築の経緯

向井家住宅主屋には棟札が残っている。県の解説によれば、札には、向井嘉左衛門が万延元年(1860年)5月4日に上棟したこと、材木を向井家が支配する土地から調達したこと、加太と本脇(もとわき)、深山(みやま)の大工が工事に関わったことが記されている。

建てた日付と施主だけでなく、材料の出どころと職人の出身地まで分かる。幕末の加太で、旧家が地元の山の木と近在の大工で住まいを建てた過程を、向井家住宅主屋は1枚の札とともに残している。

四間取と大引天井

間取りは整形の四間取である。正面側に10畳の部屋を2室並べ、西側の部屋を主室の座敷として床の間を設け、仏壇を構える。表の2室は正面を出格子とし、その前に吹き放しの下屋が広い軒下をつくる。

向井家住宅主屋の室内は、どの部屋も畳敷きでありながら天井を大引天井とする。座敷にも長押を打たず、柱に差し込んだ差物と太い梁で軸組を固めている。文化庁の解説は、この差物を用いた堅牢な構造を向井家住宅主屋の特徴に挙げる。

格子の立つ正面と深い軒、煙出しを載せた入母屋の大屋根は、県の解説がいうように、この地域の伝統的な住まいの形をよく保っている。登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、登録番号は30-0291である。

見学方法

向井家住宅主屋は個人の住まいで、内部は公開されていない。旧淡島街道から奥へ引いて建つため、表門の外から建物の全体を見通すことも難しい。

正面の出格子や下屋の姿は、文化庁の国指定文化財等データベースに掲載された正面全景の写真で確かめられる。現地では私有地に立ち入らず、街道からの眺めにとどめたい。

Q&A

Q向井家住宅主屋はいつ建てられましたか。
A棟札により、万延元年(1860年)5月4日に上棟したことが分かっています。平成12年(2000年)に改修を受けています。
Q向井家住宅主屋の棟札には何が書かれていますか。
A向井嘉左衛門が上棟したこと、材木を向井家の支配地から調達したこと、加太・本脇・深山の大工が関わったことが記されています。
Q向井家住宅主屋の間取りと構造の特徴は何ですか。
A整形四間取で、正面に10畳間を2室並べ、西側を床の間と仏壇のある座敷とします。天井は大引天井で、長押を打たず、差物と太い梁で固めた堅牢な造りです。
Q向井家住宅主屋が登録有形文化財になったのはいつですか。
A令和3年(2021年)2月4日です。登録番号は30-0291で、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q向井家住宅主屋は見学できますか。
A個人の住まいのため内部は公開されていません。街道から奥まって建つため、敷地の外から全体を見ることも難しい建物です。

基本データ

名称向井家住宅主屋(むかいけじゅうたくおもや)
所在地和歌山県和歌山市加太1394
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 30-0291
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積162平方メートル
所有者個人
公開状況非公開

参考文献

国指定文化財等データベース 向井家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013621
向井家住宅(わかやまの文化財、和歌山県教育庁文化遺産課)
https://wakayama-bunkazai.jp/bunkazai/bunkazai-spot-971/

最終更新日: 2026.09.28