蔵と蔵をつなぐ通路兼作業場

小嶋総本店作業場は、山形県米沢市本町2丁目の造り酒屋・小嶋総本店の敷地中央に東西に延びる大正後期(1919〜1926年)の木造の作業場で、令和6年(2024年)3月6日に国の登録有形文化財となった。登録番号は06-0218。

木造平屋建で、切妻造の屋根を鉄板で葺く。建築面積は298平方メートルで、店舗兼主屋に次ぐ広さがある。一号蔵の西面の南端から西へ延び、蔵と蔵の間をつなぐ通路の役目も兼ねている。

北側にはボイラー室や瓶詰工場が接続している。酒を仕込む蔵、熱源、瓶詰めの工程が、この建物を介して一つにつながる配置である。

蔵前をなす建物

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。文化庁の解説は、敷地中央部の景観をつくる通路兼作業場と位置づける。

作業場の南面には、三号蔵と四号蔵の戸口が開いている。二つの蔵の出入口が並ぶこの面は、解説の言う「蔵前」にあたり、仕込蔵へ出入りする作業の起点になる。江戸末期と明治中期の蔵の前に、大正後期の作業場が屋根をかけた形である。

小屋組はキングポストトラス。広い作業空間に柱を立てずに屋根を架けるための方法で、同じ時期の倉庫や五号蔵と共通する。

見どころ

小嶋総本店作業場の意味は、単体の建物より、ほかの建物とのつながりにある。東端は一号蔵に、南面は三号蔵・四号蔵の戸口に、北はボイラー室や瓶詰工場に接し、敷地の動線がここに集まる。

外からは屋根の一部がうかがえる程度で、蔵前の様子は敷地の内側に入らないと見えない。

見学について

小嶋総本店作業場は敷地の内側に建ち、公道からは屋根や壁の一部がうかがえる程度である。内部は公開されておらず、敷地への立ち入りもできない。撮影は公道からに限られる。

酒造りの現場は、年1回の「360°よねざわオープンファクトリー」で特別公開される。仕込みに使われている蔵が案内の中心になるが、三号蔵・四号蔵・作業場の各棟がどこまで見られるかはその年の内容による。

Q&A

Q小嶋総本店作業場はどんな建物ですか?
A敷地中央に東西に延びる大正後期(1919〜1926年)の木造平屋建で、蔵と蔵をつなぐ通路を兼ねた作業場です。建築面積は298平方メートルです。
Q小嶋総本店作業場はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で令和6年(2024年)3月6日に登録されました。南面に三号蔵・四号蔵の戸口が開いて蔵前をなし、敷地中央部の景観をつくる点が評価されています。
Q小嶋総本店作業場の小屋組は?
Aキングポスト・トラスです。屋根は切妻造の鉄板葺です。
Q小嶋総本店作業場は見学できますか?
A敷地の内側にあり、内部は非公開です。酒蔵は年1回の「360°よねざわオープンファクトリー」で特別公開されます。
Q小嶋総本店作業場の近くで酒蔵見学や試飲はできますか?
A小嶋総本店作業場のある本町の敷地は通常非公開ですが、歩いて数分の大町にある酒造資料館「東光の酒蔵」で、小嶋総本店の酒造りの展示見学と試飲ができます。開館時間や入館料は小嶋総本店の公式サイトで確認してください。

基本情報

名称小嶋総本店作業場
所在地山形県米沢市本町2丁目752他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和6年(2024年)3月6日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積298平方メートル
所有者株式会社小嶋総本店
公開状況内部非公開(敷地の内側に所在。年1回の特別公開あり)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 小嶋総本店作業場
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014724
文化庁 報道発表 — 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)令和5年11月24日
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93969901.html
文化庁 — 答申物件一覧(令和5年11月24日)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93969901_03.pdf
東光 小嶋総本店 — アクセスマップ
https://www.sake-toko.co.jp/access/
東光 小嶋総本店 — 「360°よねざわオープンファクトリー」開催のお知らせ
https://www.sake-toko.co.jp/news/4592/

最終更新日: 2026.09.25