造り酒屋の屋敷神

小嶋総本店三日月稲生社本殿は、山形県米沢市本町2丁目の造り酒屋・小嶋総本店の主屋西の中庭に建つ昭和4年(1929年)の祠で、令和6年(2024年)3月6日に国の登録有形文化財となった。社名の「稲生」は「いなり」と読む。昭和49年(1974年)に現在地へ移築され、登録番号は06-0219である。

木造平屋建で屋根は銅板葺、建築面積は6.9平方メートル。12件のうち最も小さい建物で、造り酒屋が敷地内にまつる屋敷神の社殿にあたる。

12件の中でこの建物だけが「造形の規範となっているもの」の基準で登録された。ほかの11件が景観への寄与を理由とするのに対し、小嶋総本店三日月稲生社本殿は建物そのものの形が評価されたことになる。

入母屋造に向拝を付けた祠

形式は入母屋造で、正面に向拝を付けた祠である。基壇の上に東を正面として建ち、正面は格子窓、その両脇の間は板壁とする。

出入口は正面ではなく南面にあり、片引きの板戸を建てる。内部の天井は、周囲を曲面で持ち上げた折上格天井。6.9平方メートルという広さに対して、天井の格は高い。

背面には神棚が突き出し、そこに切妻の屋根を別に架けている。文化庁の解説は、木柄が太く質実な祠であると評価する。答申も、小規模ながら質実なつくりと述べている。

見どころ

小嶋総本店三日月稲生社本殿の見どころは、小さな建物に社殿の要素がきちんと揃っている点にある。入母屋の屋根、正面の向拝、背面の神棚の切妻と、屋根だけでも3つの形が重なる。

柱や梁の太さも意識して見たい。寸法の小さい祠では部材を細くしがちだが、この社殿は木柄を太くとっており、そのぶん輪郭がしっかりして見える。

見学について

小嶋総本店三日月稲生社本殿は主屋の西の中庭にあり、敷地の内側に位置する。一般の参拝や見学の受け付けはなく、公道から全体を見ることは難しい。

酒蔵の特別公開は年1回、「360°よねざわオープンファクトリー」の期間に行われるが、中庭の社殿が見学範囲に含まれるかは告知で確かめたい。

Q&A

Q小嶋総本店三日月稲生社本殿の読み方は?
A「こじまそうほんてんみかづきいなりしゃほんでん」と読みます。「稲生」は「いなり」です。
Q小嶋総本店三日月稲生社本殿はお参りできますか?
A造り酒屋の敷地内にまつられた屋敷神で、一般の参拝や見学は受け付けていません。中庭にあるため公道からも見えにくい位置です。
Q小嶋総本店三日月稲生社本殿はいつ建てられましたか?
A昭和4年(1929年)に建てられ、昭和49年(1974年)に現在地へ移築されました。令和6年(2024年)3月6日に登録有形文化財になっています。
Q小嶋総本店三日月稲生社本殿の建築の特徴は?
A入母屋造・銅板葺で正面に向拝を付け、内部は折上格天井です。背面に突き出した神棚に切妻屋根を架けています。建築面積は6.9平方メートルです。
Q小嶋総本店三日月稲生社本殿の近くで酒蔵見学や試飲はできますか?
A小嶋総本店三日月稲生社本殿のある本町の敷地は通常非公開ですが、歩いて数分の大町にある酒造資料館「東光の酒蔵」で、小嶋総本店の酒造りの展示見学と試飲ができます。開館時間や入館料は小嶋総本店の公式サイトで確認してください。

基本情報

名称小嶋総本店三日月稲生社本殿
所在地山形県米沢市本町2丁目752
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和6年(2024年)3月6日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、銅板葺、建築面積6.9平方メートル
所有者株式会社小嶋総本店
公開状況非公開(敷地内の中庭に所在)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 小嶋総本店三日月稲生社本殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00014725
文化庁 報道発表 — 文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)令和5年11月24日
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93969901.html
文化庁 — 答申物件一覧(令和5年11月24日)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/93969901_03.pdf
東光 小嶋総本店 — アクセスマップ
https://www.sake-toko.co.jp/access/
東光 小嶋総本店 — 「360°よねざわオープンファクトリー」開催のお知らせ
https://www.sake-toko.co.jp/news/4592/

最終更新日: 2026.09.25