萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室とは
萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室は、山梨県甲府市湯村三丁目の住宅の敷地に建つ江戸末期(1830〜1868年)の茶室で、令和7年(2025年)に国の登録有形文化財に登録された。
読みは「はぎわらけじゅうたく(きゅうおおきけじゅうたく)おうしあんちゃしつ」。建築面積13㎡の小さな独立した建物で、北側に茶席、南側に水屋をまとめている。昭和23年(1948年)と平成3年(1991年)の二度にわたって移築され、いまの場所に落ち着いた。
茅葺の寄棟屋根と網代の土庇
翁姿庵茶室は木造平屋建、寄棟造の南北棟である。屋根はもと茅葺で、現在は鉄板で仮に覆っている。文化庁の構造欄の「茅葺(鉄板仮葺)」は、茅葺の屋根を鉄板で仮に覆った状態を表している。
西面の北寄り、茶席の側には土庇を付け、その軒を網代編としている。薄く削いだ材を編んだ網代は、草庵風の茶室で好まれた素材である。
二畳台目向板の茶席と火灯口
内部は北が茶席、南が板間の水屋で、二つの室の境に火灯口を開ける。火灯口は上部を火灯形の曲線に塗り回した出入口で、水屋と茶席を行き来する口になる。
茶席は二畳台目に向板を入れた構成である。二畳の客座に、通常の4分の3ほどの長さの台目畳を添え、点前座の前に板を敷き込んだ小間で、ごく少人数の客をもてなす広さになる。
文化庁が特に挙げるのは材料の選び方である。天井の廻縁には煤で黒く色づいた煤竹を、天井板にはキリ材を用いている。限られた広さのなかで素材を吟味し、丁寧につくった茶室として評価され、登録基準「造形の規範となっているもの」に当たるとされた。
萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室の見学
翁姿庵茶室は個人住宅の敷地内にあり、一般には公開されていない。見学日や見学料の定めはなく、敷地に立ち入ることはできない(2026年10月確認)。
北西側から見た外観と内観の写真が文化庁のデータベースと文化遺産オンラインに載っており、土庇の網代や茶席の天井はそこで確かめられる。撮影や訪問を目的に住宅に近づくことは控えたい。
Q&A
- 萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室は見学できますか?
- 個人住宅の敷地内にあり、一般公開はされていません。写真は文化庁のデータベースで見られます。
- 翁姿庵茶室はいつ建てられましたか?
- 江戸末期(1830〜1868年)の建築で、昭和23年(1948年)と平成3年(1991年)に移築されています。
- 翁姿庵茶室の広さはどのくらいですか?
- 建物の建築面積は13㎡で、茶席は二畳台目向板です。南側に板間の水屋があります。
- 翁姿庵茶室の屋根はなぜ鉄板なのですか?
- 本来は茅葺で、現在は鉄板で仮に覆っています。文化庁の記録でも「茅葺(鉄板仮葺)」とされています。
- 萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室が登録された理由は?
- 煤竹の廻縁やキリ板の天井など材料を吟味した丁寧なつくりが評価され、「造形の規範となっているもの」として登録されました。
基本情報
| 名称 | 萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室 |
|---|---|
| 所在地 | 山梨県甲府市湯村3丁目508-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 令和7年(2025年)登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 建築面積13㎡(木造平屋建) |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(個人住宅の敷地内) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室」
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015309
- 文化遺産オンライン「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵茶室」
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/611353
- 文化庁「文化審議会答申(令和6年11月22日)」登録有形文化財(建造物)一覧(PDF)
- https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/94140701_01.pdf
- 山梨県「山梨の文化財リスト(登録有形文化財:建造物)」
- https://www.pref.yamanashi.jp/bunka/bunkazaihogo/tourokuyukei.html
最終更新日: 2026.10.01