萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠とは

萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠は、山梨県甲府市湯村三丁目の住宅の敷地に建つ明治後期(1898〜1912年)の茶庭の便所で、令和7年(2025年)に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「はぎわらけじゅうたく(きゅうおおきけじゅうたく)おうしあんせっちん」。雪隠(せっちん)は便所の古い呼び名で、茶の湯では茶室に付属する便所をこう呼ぶ。翁姿庵雪隠は茶室の北に位置し、南を向いて建つ。建築面積は4.1㎡で、登録された建物としてはごく小さい。

茶室より新しい雪隠

文化庁は翁姿庵雪隠の年代を明治後期とし、江戸末期の茶室より後の建物としている。建築年代のうえでは、雪隠のほうが半世紀ほど新しい。昭和23年(1948年)と平成3年(1991年)の移築は、茶室といっしょに行われている。

建物は木造平屋建、寄棟造の東西棟で、屋根は茶室と同じく茅葺を鉄板で仮に覆っている。茶室とそろいの茅葺の寄棟屋根にすることで、小さな雪隠も茶庭の景色の一部になっている。

板床と大理石の土間、扇に配った垂木

内部は東西の二室に仕切られる。西の室は板床に大便器を据え、東の室は大理石張の土間床に小便器を据える。文化庁の写真の題には「小便器染付磁器」とあり、小便器は藍色の絵付けをした磁器である。

天井は張らず、見上げると垂木が扇のように放射状に配られているのが見える。4.1㎡の小屋に、大理石の床、染付の便器、扇状の垂木をそろえた造りで、文化庁は小規模ながら上質なつくりの雪隠と評している。

登録基準は茶室と同じく「造形の規範となっているもの」である。茶室とその雪隠がそろって残り、ともに登録された点にも意味がある。

萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠の見学

翁姿庵雪隠は個人住宅の敷地内にあり、一般には公開されていない。見学日や見学料の定めはなく、敷地に立ち入ることはできない(2026年10月確認)。

西側から見た外観と小便器の写真が、文化庁のデータベースと文化遺産オンラインに掲載されている。訪問や撮影のために住宅へ近づくことは控えたい。

Q&A

Q萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠は見学できますか?
A個人住宅の敷地内にあり、一般公開はされていません。写真は文化庁のデータベースで見られます。
Q翁姿庵雪隠の「雪隠」とは何ですか?
A便所の古い呼び名で、茶の湯では茶室に付属する便所を指します。翁姿庵雪隠は茶室の北に建っています。
Q翁姿庵雪隠はいつ建てられましたか?
A明治後期(1898〜1912年)の建築で、茶室とともに昭和23年(1948年)と平成3年(1991年)に移築されています。
Q翁姿庵雪隠の見どころは?
A大理石張の土間床と染付磁器の小便器、天井を張らずに見せる扇状の垂木です。
Q萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠の大きさは?
A木造平屋建で、建築面積は4.1㎡です。

基本情報

名称萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠
所在地山梨県甲府市湯村3丁目508-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和7年(2025年)登録
員数1棟
寸法建築面積4.1㎡(木造平屋建)
所有者個人
公開状況非公開(個人住宅の敷地内)

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00015310
文化遺産オンライン「萩原家住宅(旧大木家住宅)翁姿庵雪隠」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/544324
文化庁「文化審議会答申(令和6年11月22日)」登録有形文化財(建造物)一覧(PDF)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/94140701_01.pdf
山梨県「山梨の文化財リスト(登録有形文化財:建造物)」
https://www.pref.yamanashi.jp/bunka/bunkazaihogo/tourokuyukei.html

最終更新日: 2026.10.01